関連法令

農地法4・5条に基づく農地転用許可制度は農地を住宅等の敷地、駐車場、資材置場等農地以外の目的に土地利用を変更することです。また、仮設事務所や土石採取、残土処分(農地のかさ上げ)等で一時的に利用する場合も農地転用(一時転用)に該当します。
農地転用するときは、あらかじめ許可を受ける必要があります。ただし、市街化区域内については、将来的に市街化される区域として指定されているため、届出制となっています。

1.目的

日本は国土が狭小でしかも可住地面積が小さく、かつ、多くの人口を抱えていることから、土地利用について種々の競合が生じています。このため、国土の計画的合理的利用を促進することが重要な課題となっています。
 このような中で、農地法に基づく農地転用許可制度は、食料供給の基盤である優良農地の確保という要請と住宅地や工場用地等非農業的土地利用という要請との調整を図り、かつ計画的な土地利用を確保するという観点から、農地を立地条件等により区分し、開発要請を農業上の利用に支障の少ない農地に誘導するとともに、具体的な土地利用計画を伴わない資産保有目的又は投機目的での農地取得は認めないこととしています。

2.市街化区域内の農地転用

市街化区域内の農地または採草放牧地を転用もしくは転用目的で売買する場合、農地法上の手続としては、農地法4・5条に基づく「許可」ではなく、「届出」でよいとされています。

(1)該当範囲

・市街化区域内にある農地をその所有者が転用する場合
・市街化区域内にある農地を所有権以外の権限に基づくその借受人が転用する場合
・市街化区域内にある農地及び採草放牧地の所有権を移転する場合
・市街化区域内にある農地及び採草放牧地の地上権、賃借権、使用貸借による権利の設定および移転をする場合

(2)提出書類

・農地転用届出書
・土地の登記事項証明書
・位置図
・届出土地が賃貸借の目的になっている場合には、賃借権が解約されることを証する書面
・開発許可を受けたことを証する書面

(3)届出先

当該土地のある地町村農業委員会

3.農地転用許可

農地または採草放牧地を転用しようとする場合には、農地法の規定に基づき知事または農林水産大臣の許可が必要となります。

(1)法第4条許可

農地を農地以外のものにする場合

(2)法第5条許可

農地を農地以外のものにするため、または採草放牧地を採草放牧地いがいのもの(農地を除く)にするため、所有権を移転し、または地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権もしくはその他の使用および収益を目的とする権利を設定しもしくは移転する場合

4.転用許可が不要な場合

以下の事由に該当する場合は許可が不要となります。
・国都道府県が、道路、農業用用排水施設その他地域振興又は農業振興上の必要性が高いと認められる施設であって農林水産省令で定めるものの用に供するために転用・転用目的権利移動する場合(都道府県知事(4ヘクタールを超える農地を農地以外とする場合は農林水産大臣)と協議しなければならない)
・農地の所有者が2アール未満の農作物の育成もしくは養畜の事業のための農業用施設に供する場合
・市町村が土地収用法に基づき転用する場合
・土地区画整理法に基づく土地区画整理事業の施行により道路、公園等公共施設を建設するために転用する場合
・市街化区域内にある農地で、市町村の農業委員会に事前に届け出た場合
・省令で定める場合
・採草放牧地を転用する場合(ただし、採草放牧地を農地に転用目的権利移動する場合は農地法第3条(権利移動)による規制がある)

5.許可権限

農地法4・5条の許可権限は以下のようになります。

 区分  許可権者 分類
 許可  農林水産大臣(関東農政局) 1.同一事業目的の4ha超(「地域整備法」を除く)の農地
2.1.+採草放牧地
 知事  農業政策課

1.同一事業目的の2haを超え4ha以下の農地
2.地域整備法による場合
3.1.又は2.+採草放牧地

 各農林事務所

1.同一事業の2ha以下の農地
2.採草放牧地のみ
3.1.+採草放牧地

 農業委員会

1.同一事業の2ha以下の農地
2.採草放牧地のみ
3.1.+採草放牧地

 届出  農業委員会 市街化区域内の農地又は採草放牧地

 

6.許可基準

農地の許可基準は、農地の区分ごとの許可喜寿運である立地基準と農地の区分にかかわらない許可基準である一般基準に大別される。

(1)立地基準

農地を営農条件及び市街地化の状況から見て次の5種類に区分し、優良な農地での転用を厳しく制限し、農業生産への影響の少ない第3種農地等へ転用を誘導することとしています。

 区分

営農条件、市街地化の状況

許可の方針

 農用地区域内農地

市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地

原則不許可(農振法第10条第3項の農用地利用計画において指定された用途の場合等に許可)

 甲種農地

第1種農地の条件を満たす農地であって、市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等特に良好な営農条件を備えている農地

原則不許可(土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等に許可)

 第1種農地

10ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地

原則不許可(土地収用法対象事業の用に供する場合等に許可)

 第2種農地

鉄道の駅が500m以内にある等市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地

周辺の他の土地に立地することができない場合等は許可

 第3種農地

鉄道の駅が300m以内にある等の市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地

原則許可

 

(2)一般基準

立地基準に適合する場合であっても、申請目的が確実に実現されるか、周辺農地の営農条件に支障を及ぼすおそれがないか当の一般基準について審査を行う際の共通事項は次のとおりです。
①事業を行うのに必要な資力及び信用があると認められない場合
②転用行為の妨げになる権利を有する者の同意を得ていない場合
③許可後、遅滞なく転用事業を行う見込みがない場合
④転用事業につき行政庁の認可・許可等が必要な場合で、その処分が為される見込みがない場合
⑤申請農地と一体として農地以外の土地を利用する場合で、その土地が申請目的に利用できない場合
⑥転用する農地の面積が事業の目的からみて適正と認められない場合
⑦転用事業が宅地等の造成のみを目的としている場合
⑧周辺の農地の営農条件に支障を生ずるおそれがある場合
⑨仮設工作物等の設置を目的とする一時的な利用の場合で、事業終了後、その土地が耕作の目的に供される見込みがない場合
⑩仮設工作物等の設置を目的とする一時的な利用の場合で、土地の所有権を取得使用とする場合

(3)転用目的別の許可基準

住宅等建築物の建設を伴う転用の場合、敷地の形状、建物の配置等から必要最小限度の面積であることが審査されます。

①自己住宅

・甲種農地の場合
 上限を500m2とする。
・それ以外の農地区分の場合
 上限を概ね500m2とする。

②農家住宅

・甲種農地の場合
 上限を500m2とする。
・それ以外の農地区分の場合
 上限を概ね1,000m2とする。

農地法3条は、農地等について所有権の移転、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利を設定するには、農業委員会の許可を受ける必要があると定め、許可を受けないでした行為は効力を生じない事としています。
なお、農地の貸借については農地法第3条の規定のほかに農業経営基盤強化促進法による利用権設定の貸借があります。

1.目的

農地等の権利移動について許可制を取っている目的は
①農地等が資産目的、投機目的などの好ましくない動機を持つものによって取得されることを防止すること
②農地等が生産性の高い農業経営者によって効率的に利用されるようにすること
農地法3条許可制度は、権利移動が行われる機会を捉えて土地利用の効率化を期するための制度としての意義があります。

2.対象者

個人または農業生産法人もしくは農業生産法人以外の法人が、農地等について、権利の設定または移転を使用とする場合が対象です。ただし、農業生産法人以外の法人は使用貸借による権利または賃借権の設定のみ可能です。
現状農作業に従事しているもの、または取得した農地を効率的に利用し農作業を行う能力のある者しか権利を得ることはできません。

3.許可されない場合

原則として以下のいずれかに該当する場合は許可されません。ただし、例外的に許可できる場合もありますので、詳しくは管轄の農業委員会へ問い合わせてください。

(1)効率的な利用ができない場合

必要な機械の所有状況、農作業に従事する者の数等から見て、取得農地等を含むすべての農地等を効率的に利用して耕作すると認められない場合

(2)常時従事しない場合

農地の権利を得ようとする人またはその世帯員が、農業経営に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
「常時従事」と認められる農作業従事日数は、年間150日以上とされています。

(3)下限面積に満たない場合

農地を農業生産力の弱い農家が取得することは農業生産力の増進や農地の効率的利用につながらないため、取得後の農業経営面積が下限面積に満たない場合は許可されません。下限面積は市町村により異なります。
水戸市:4,000m2、ひたちなか市:5,000m2 等

(4)転貸する場合

所有権以外の権限(賃借権、使用貸借権による権利等)に基づいて耕作している人が、その土地をさらに第三者に転貸することは、権利関係がいたずらに複雑化し中間地主を認めることになるため、許可されません。

(5)周辺地域との調和に支障を生ずるおそれがある場合

周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合とは、例えば
①すでに集落営農や経営体により農地が面的にまとまった形で利用されている地域で、その利用を分断するような権利取得
②地域の農業者が一体となって水利調整を行っているような地域で、この水利調整に参加しない営農が行われることにより、他の農業者の農業水利が阻害されるような権利取得
③無農薬や減農薬での付加価値の高い作物の栽培の取り組みが行われている地域で、農薬使用による栽培がおこなわれることにより、地域でこれまで行われていた無農薬栽培棟が事実上困難になるような権利取得
④集落が一体となって特定の品目を生産している地域で、その品目に係る共同防除等の営農活動に支障が生ずる恐れがある権利取得
⑤地域の実勢の借賃に比べて極端に高額な借賃で賃貸借契約が締結され、周辺の地域における農地の一般的な借賃の著しい引き上げをもたらす恐れのある権利取得

4.申請書及び添付書類

(1)許可申請書

許可申請書を当該土地のある地町村農業委員会に1部提出します。法第3条お許可は全て当該土地のある地町村農業委員会の許可となります。

(2)許可申請書別紙

譲受人等の種別、個人・農業生産法人・農業生産法人以外の法人やその他の条件によって、必要な別紙が変わります。特に、別紙4を必要とする特殊事由がある場合には、その事由によっては許可申請書の項目のうち記載不要な項目があるので、最初に別紙4を確認のうえ許可申請書を記載する必要があります。

 書類  備考
 別紙1
 下限面積・転貸の特例
 特例により許可を受けようとする場合
 別紙2
 農業生産法人としての事業等の状況
 農業生産法人の場合
 別紙3
 農業生産法人以外の法人等の事業等の状況
 農業生産法人以外の法人等で、法第3条3項の規定の適用を受けて当該権利を取得しようとする場合
 別紙4
 特殊事由により申請する場合の記載事項
 その他特殊事由により許可を受けようとする場合

 

(3)添付書類

 申請種別  書類
 申請地関係  登記事項証明書
 申請人が権限者であることを証する書面
 その他参考となるべき書類
 位置図および公図の写し等
 法人関係  定款または寄附行為の写し
 組合員名簿または株主名簿の写し
 農業生産法人の構成員とその法人との間で締結された契約書の写し
 農業生産法人の構成員であること証する書面
 乳用牛の事業等を行う法人で要件を満たしていることを証する書面
 市町村長の指定をうけたことを証する書面
 その他参考となるべき書類
 農業経営受託規定、損益計算書の写し、総会議事録の写し等
 単独申請  売却決定の期日調書または特別売却調書の写し
 公正証書の写し
 判決書の写し
 和解調書または認諾調書の写し
 調停調書の写し
 家事審判所または調停調所の写し
 法第3条3項  契約書の写し
 その他参考となるべき書類
 協定書の写し等
 その他  その他参考となるべき書類
 耕作者証明書、農地基本台帳記載事項証明書、委任状等

 

5.権利を取得したことの届出

相続や時効取得など農地法の許可を要しない権利取得については、農地の所在する農業委員会に届出をしなくてはなりません。
権利を所得したことを知った時点からおおむね10ヶ月以内に、農業委員会に届出書を提出しなければなりません。届出をしなかったり、虚偽の届出をした場合、10万円以下の過料に処せられることがあります。この届出は権利取得の効力を発生させるものではありません。所定の登記手続きは別に必要になります。
届出が必要な権利取得
(1)相続により権利を取得した場合
(2)遺産の分割、財産の分与に関する裁判(調停)、相続財産の分与に関する裁判によって権利を取得した場合
(3)包括遺贈により権利を取得した場合
(4)土地収用法、都市計画法、鉱業法による買受権により権利を取得した場合
(5)時効取得により権利を取得した場合
(6)法人の合併、分割等により権利を取得した場合

1.建築規制

個々の建築に関しては建築基準法で違法建築を防止していますが、都市計画の観点からも建築に制限を掛けています。原則として市街化区域は建築ができ、市街化調整区域は建築できません。建築場所を開発許可を受けた土地(開発区域)、開発許可を受けた土地以外の土地に分け、開発区域内は時期を工事中と工事終了後に分けて考えます。

(1)開発許可を受けた土地における建築等の制限

工事完了公告前は建築物や特定工作物の建築・建設はできません。しかし、以下の場合は建築等を行うことができます。
・当該工事のための仮設建築物・特定工作物の建築・建設
・開発行為に同意していない土地所有者等の建築・建設
・都道府県知事が支障ないと認めた場合
工事完了公告後は予定建築物・特定工作物以外の新築・新設・改築・用途変更はできません。しかし、以下の場合は建築等を行うことができます。
・用途地域等が定められている場合
・都道府県知事が許可した場合

(2)開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限

 市街化調整区域は、建築物の建築(新築、改築、用途変更を含む。)又は第1種特定工作物を新設する場合は、建築許可が必要となります。しかし、以下の場合は建築等を行うことができます。
・開発許可が不要な場合(農林漁業用・公益性・軽易な行為・非常災害の応急処置など)
・第2種特定工作物の建設
 市街化調整区域以外の区域:特に規制なし(建築基準法の用途規制はあり)

2.市街地開発事業等予定区域の建築規制

市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内において、土地の形質の変更を行い、又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。ただし、次に掲げる行為については許可は不要です。
・通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
・非常災害のため必要な応急措置として行う行為
・都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

3.都市計画施設等の区域内における建築規制

都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。ただし、次に掲げる行為については許可は不要です。
・政令で定める軽易な行為
・非常災害のため必要な応急措置として行う行為
・都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
・第十一条第三項後段の規定により離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度が定められている都市計画施設の区域内において行う行為であつて、当該離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度に適合するもの
・第十二条の十一に規定する都市計画施設である道路の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域内において行う行為であつて、当該都市計画施設である道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で定めるもの

4.都市計画事業の認可後の建築規制

都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。
都道府県知事等は、許可の申請があつた場合において、その許可を与えようとするときは、あらかじめ、施行者の意見を聴かなければなりません。

1.開発行為

「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいうものとされています。
「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する」とは、機能的な面から判断して建築物又は特定工作物に係る機能が主であることを指します。開発行為を土地の一部に建築又は特定工作物の建設がされる場合でも、機能が土地全体の利用からみて付随的なものである場合は開発行為に該当しません。
「区画の変更」とは、建築物の建築又は特定工作物の建設のための土地の区画の変更をいい、単なる土地の分合筆は含まれません。
「形質の変更」とは、切土、盛土又は整地のことをいいます。ただし、既成宅地における建築行為、例えば基礎打ち、土地の掘削等の行為は該当しません。
「特定工作物」とは、
第1種特定工作物
・コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵又は処理に供する工作物
第2種特定工作物
・ゴルフコース及び野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動レジャー施設で1ヘクタール以上のもの
・墓園(1ヘクタール以上のもの)
です。

2.開発行為の許可

都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。

3.開発行為の適用除外

以下の開発行為は開発許可が不要です。

(1)小規模開発

市街化区域:1,000m2未満の開発行為は許可不要
市街化調整区域:例外なしで許可必要
区域区分が定められていない都市計画区域:3,000m2未満の開発行為は許可不要
準都市計画区域:3,000m2未満の開発行為は許可不要
都市計画区域および準都市計画区域外:1ha未満の開発行為は許可不要
市街化区域内でも3大都市圏は500m2未満ですが、都道府県規則で300m2未満まで引き下げ可能です。

(2)農林漁業用建築物

農林漁業用建築物とはサイロ、堆肥舎、農機具等の収納施設、従事者の住宅であり許可不要です。農産物の処理、貯蔵、加工に供する建築物は含まれません。

(3)公益性・管理行為・軽易な行為など

公益上必要な建築物は、駅舎等の鉄道施設、図書館、公民館、変電所などは許可不要です。
軽易な行為とは建築物が仮説・車庫・物置などは許可不要です。

(4)都市計画事業の施行として行うもの

都市計画事業の施行として行うもののほか、土地区画整理事業や市街地開発事業の施行として行う場合は許可不要で、非常災害のため必要な応急処置や通常の管理行為等も許可不要となります。

 開発許可の例外

4.開発行為の流れ

(1)現地調査

開発区域外にある接続道路の幅員、種別、排水先の有無などの基本的事項を調査します。

(2)事前相談

現地調査を踏まえて、開発許可担当窓口と、土地利用、技術基準などの開発許可に関する打合せを行います。

(3)事前協議

事業者は、市町などの開発行為に関係する公共施設あるいは開発行為によって設置される公共施設の管理者と協議を行います。
具体的には、道路や排水、公園、消防水利など各施設に関して接続や処理の仕方、位置等の協議を行います。

(4)開発許可申請書の作成、提出

事前協議が終了すると、開発許可申請書に必要事項を記入し、設計図書及び土地権利者などの同意書を添えて提出します。
ここでは、公共施設や造成等の計画が適切であるか否かのほか、土地所有者等の同意を得ているか、資金計画や技術力面からの開発主体の信用性、工事施行者の実績・能力等について審査されます。

(5)開発許可と工事着手

審査が終了すると開発許可通知書が交付され、工事を行うことが可能となります。
事業者は、開発許可申請どおりに工事を行います。

(6)工事完了

工事が完了した場合には、工事完了届を開発許可権者に提出します。
開発許可権者は開発地の検査を行い、開発許可申請どおりに工事が完了したと認められる場合には検査済証を発行し、完了公告を行います。

(7)建築

完了公告後、建築確認申請を行い、予定建築物を建築します。
予定建築物以外の建築物を建築する場合は、許可が必要となる場合があります。
そのあとに、建築基準法の建築確認の手続を行うことになります。
知事の承認を受けた場合は、完了公告前に建築基準法の建築確認の手続を行って、予定建築物の建築工事を行うことが可能となる場合もあります。ただし、予定建築物は、完了公告後でなければ使用できません。建築基準法の完了検査も受ける必要があります。

5.開発許可申請

(1)許可申請

開発許可申請は土地の所有者以外もでも申請することが出来ます。
開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得て書面を貼付します。
開発区域の面積が1ha以上の場合は有資格者の設計であることを証する書面を貼付します。
開発許可申請書への記載事項は工事施工者、開発区域の位置・区域・規模、予定建築物・特定工作物の用途などで書面で申請します。
道路や公園などの公共施設は、既にあるものは同意書を貼付、新たに設置されるものは協議の経過を示す書面を貼付します。

(2)知事が許可する基準

市街化区域:
開発する場所なので33条基準の全てに適合し申請手続きが法令違反出ない場合には許可をしなければならない。
市街化調整区域:
33条基準に加え34条基準を満たす場合でなければ知事は許可してはならない。
知事は市街化調整区域のような用途地域の定めがない区域で開発許可をする場合には、建築物の建ぺい率・建築物の高さ・壁面の位置その他建築物の敷地・構造・設備に関する制限を定めることができる。

6.開発許可後

知事は許可したら開発登録簿に登録し常に公衆閲覧に供し請求があれば写しを交付します。
不許可の処分は理由を文書で示すが処分に不服がある者は開発審査会に審査請求した後でなければ訴えの定期は出来ません。
相続や合併の場合は、当然に一般承継人が承継します。
土地の譲渡の場合は知事の承認を得て特定承継人が地位を承継します。
開発行為の軽微変更は届出たがそり外の変更は知事の許可が必要です。
工事を廃止した場合は遅滞なく知事に届け出ます。
開発許可を受けたものは、開発区域の全部について工事を完了したときは、工事完了の検査を受けるため、その旨を知事に届出なければならない。
知事は検査し検査済み証を交付した後工事完了の広告をします。
道路・公園などの公共施設は工事完了広告の日の翌日に原則として市町村管理となります。
公共施設の敷地は公共施設の管理者に帰属します。

 

都市計画法では、広域的・根幹的な都市計画については都道府県が、身近な都市計画は市町村が決定することとしています。また、都市計画の決定までの流れで住民の意見を反省させる機会を設けています。

1.都市計画の決定者

(1)都道府県が決定する都市計画

 ・マスタープランに関する都市計画
 ・区域区分に関する都市計画
 ・都市再開発方針等に関する都市計画
 ・地域地区に関する都市計画
 ・都市施設に関する都市計画
 ・市街地開発事業に関する都市計画
 ・市街地開発事業等予定地区に関する都市計画

(2)市町村が決定する都市計画

 ・地域地区に関する都市計画に関する都市計画
 ・遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画
 ・被災市街地復興推進地域に関する都市計画
 ・地区計画に関する都市計画
 ・都市施設に関する都市計画
 ・市街地開発事業に関する都市計画
 ・促進区域に関する都市計画

市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合しなければなりません。
市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先します。

2.都市計画の決定手続き

(1)必要に応じて公聴会を開催し都市計画の案を作成します。

(2)都市計画の案を公告・縦覧し関係市町村の住民及び利害関係人に意見書の提出の機会を与えます。

(3)都道府県の都市計画の決定

 都道府県は、関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経て都市計画を決定します。
 国の利害に重大な関係がある都市計画は国土交通大臣に協議し、その同意を得なければなりません。

(4)市町村の都市計画の決定

 市町村は、市町村都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定します。
 都市計画区域又は準都市計画区域について都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議し同意を得なければならない。

(5)都市計画を決定したときは、その旨を告示・縦覧しなければなりません。

都市計画法は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。

1.街づくり

日本では以下のような流れで街づくりが行われます。

(1)場所を決める。(都市計画区域・準都市計画区域)

(2)プランを立てる。(都市計画)

(3)規制(開発許可など)をしてプラン(道路整備など)を実行(都市計画事業)します。

都市計画区域とは
市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域です。都道府県が指定します。

準都市計画区域とは
都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域です。都道府県が指定します。

都市計画区域は日本の国土の約1/4程度ですが、全人口の9割が住んでいます。

2.区域区分

都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分を定めます。この区分は通常「線引き」と呼ばれます。大都市では「線引き」が義務付けられている都市計画区域もありますが、その他の都市計画区域で「線引き」を行なうかどうかは都道府県の選択に委ねられています。

市街化区域とは
すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域です。

市街化調整区域とは
市街化を抑制すべき区域です。

市街化区域、市街化調整区域のどちらでもない非線引き都市計画区域もあります。

3.地域地区

さまざまな地域や地区に分ける都市計画が地域地区です。
地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的として、市街化区域には用途地域を定めます。市街化調整区域には原則として用途地域を定めません。用途地域は住居系・商業系・工業系から更に分類され、計12種類が存在します。

(1)用途地域

1 第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
2 第二種低層住居専用地域は、主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
3 第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
4 第二種中高層住居専用地域は、主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
5 第一種住居地域は、住居の環境を保護するため定める地域
6 第二種住居地域は、主として住居の環境を保護するため定める地域
7 準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。
8 近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
9 商業地域は、主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
10 準工業地域は、主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
11 工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域
12 工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域

(2)用途地域以外の補助的地域地区

特別用途地区:土地利用の増進、環境保護等のため用途地域の指定を補完して定める地区
高層住居誘導地区:容積率制限が10分の40、10分の50と定められた内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区
高度地区:用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区
高度利用地区:建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区
特定街区:市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区
防火・準防火地域:市街地における火災の危険を防除するため定める地域
景観地区:市街地の良好な景観(街なみ)の形成を図る地区
風致地区:都市の風致を維持するため定める地区
特定用途制限地域:良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域

リンク

サイトウ行政書士事務所,車庫証明,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,遺言,相続,公正証書,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,農地転用,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,産業廃棄物収集運搬業,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,開発許可,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

最近の投稿記事

過去の投稿記事