平成28年6月1日から建設業の許可業種区分が43年ぶりに改正され、解体工事業が新設されます。
これまで「とび・土工工事業」に含まれていた「工作物の解体」が独立し、許可業種に解体工事業が追加されます。
今後解体工事業を営む場合は、解体工事業の許可が必要となります。
(軽微な工事は除く。ただし、軽微な工事のみを営む場合は従前どおり建設リサイクル法に基づく解体工事業の登録が必要。)
(1)解体工事とは
・解体工事の内容、例示、区分の考え方は以下のとおりです。
種類 | 内容 | 例示 | 区分の考え方 |
---|---|---|---|
解体工事 | 工作物の解体を行う工事 | 工作物解体工事 | それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事や建築一式工事に該当する。 |
(2)解体工事業の許可について
① 経営業務の管理責任者の経験
改正前のとび・土工工事業での経営業務の管理責任者の経験は、解体工事業の経営業務の管理責任者の経験とみなされます。
よって改正前にとび・土工工事業に関し5年以上の経営業務の管理責任者として経験を有する者は、解体工事の経営業務の管理責任者になることができます。
② 営業所の専任技術者要件
〇監理技術者の資格等
次のいずれかの資格等を有する者
・1級土木施工管理技士※1
・1級建築施工管理技士※1
・技術士(建設部門又は総合技術監理部門(建設)) ※2
・主任技術者としての要件を満たす者のうち、元請として4,500 万円以上の解体工事に関し2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
〇主任技術者の資格等
次のいずれかの資格等を有する者
・監理技術者の資格のいずれか
・2級土木施工管理技士(土木)※1
・2級建築施工管理技士(建築又は躯体)※1
・とび技能士(1級)
・とび技能士(2級)合格後、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者
・登録解体工事試験※3(種目:解体工事)への合格
・大卒(指定学科※4)3年以上、高卒(指定学科※4)5年以上、その他10年以上の実務経験※5
・土木工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務の経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
・建築工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務の経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
・とび・土工工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務の経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
※1 平成27 年度までの合格者に対しては、解体工事に関する実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要
※2 当面の間、解体工事に関する実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要
※3 平成28 年6月1日より国への登録試験の申請が開始
※4 解体工事業の指定学科は、土木工学又は建築学に関する学科
※5 建設リサイクル法施行(平成13 年5月30 日:解体工事業者の登録に関する部分)後の解体工事に係る経験は、とび・土工工事業又は建設リサイクル法に基づく解体工事業の登録で請け負ったものに限定
※6 ※1及び※2に記載の登録解体工事講習は、平成28 年6月1日より国への登録講習の申請が開始
③ 解体工事の実務経験年数
解体工事の実務経験年数は、改正前のとび・土工・コンクリート工事の実務経験年数のうち解体工事に係る分になります。
※改正後のとび・土工・コンクリート工事の実務経験年数は、改正前のとび・土工・コンクリート工事の実務経験年数(解体工事に係る分を含む。)となります。
※建設リサイクル法の施行(平成13年5月30日)後の解体工事に係る経験は、とび・土工工事業許可又は建設リサイクル法に基づく解体工事業登録で請け負ったものに限り経験期間に算入できます。
(3)許可・技術者資格の経過措置
① 許可に関する経過措置
平成28年6月1日時点でとび・土工工事業の許可を受けて解体工事業を営んでいる場合は、改正後も引き続き3年間(平成31年5月31日まで)は解体工事の許可を受けずに解体工事を施工することができます。平成31年6月1日以降は解体工事業の許可必要になります。
② 営業所の専任技術者(監理・主任技術者)の資格に関する経過措置
平成28年6月1日時点でとび・土工工事業の技術者に該当する者は、改正後も平成33年3月31日までは解体工事業の技術者とみなされます。平成33年4月1日以降は、解体工事業に係る資格が必要になります。