一括下請負に関するQ&A

Q1

元請から建材商社が下請負をして、当社が再下請負をしましたが、建材商社の主任技術者は3日に1回程度しか現場に来ません。このような施工体系の場合、一括下請負に該当しますか。

A1

建材商社の工事への実質的関与が認められなければ一括下請負に該当します。
ご質問の工事で、建材商社の主任技術者が3日に1回程度しか現場に入場せず、下請である貴社が元請の管理・指導を直接受けて下請負工事を主体的に行った場合は、一括下請負に該当する可能性が高くなります。


 Q2

2,500万円未満の工事で、一次下請(建材商社)の主任技術者が毎日1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二次下請(当社)に伝える方法を取った場合でも一括下請負に該当しますか。

A2

2,500万円(建築一式工事にあっては5,000万円)未満の工事について専任を要しないのは、兼任が許されるという意味であって、専任を要する工事の場合と主任技術者や監理技術者の職務が異なるわけではありません。したがって、建設業法第26条の3に定めた技術者の職務を誠実に履行する必要があります。
元請負人との打ち合わせと下請負人への指示だけを行っているのであれば、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理等、本来下請の技術者が行うべき管理等に実質的に関与しているとは考えにくく、一括下請負に該当する可能性が高いものと考えられます。


 Q3

受注した建築工事で建築工事業の技術者が諸事情により不在になってしまい、その工事を他社に一括下請負を行った場合、建設業法違反になりますか。

A3

主任技術者又は監理技術者が不在になってしまった等いかなる事情又は施工途中等いかなる時点であっても他社に一括下請負を行った場合は建設業法違反となります。
万一、当該理由に至った場合は、発注者又は元請の不利益にならないよう速やかに発注者又は元請に相談の上適切に対処して下さい。


Q4

在籍出向者を監理技術者にする事は一括下請負に該当するとされていますが、有期移籍を含めた長期出向者を監理技術者にした場合には、一括下請負と判断されますか。

A4

建設工事の管理をつかさどる主任技術者又は監理技術者は、直接的かつ恒常的な雇用関係にある者である必要があります。したがっていかなる場合であっても在籍出向者は主任技術者又は監理技術者にはなれません。


Q5

一括下請負は、公共工事のみに該当するのでしょうか。

A5

すべての建設工事においては、一括下請負は原則禁止(建設業法第22条)されています。
特に、公共工事においては、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の施行に伴い、一括下請負は全面的に禁止されました。
民間工事については、元請が発注者に書面で承諾を得た場合はこの限りではありませんが、平成3年2月5日付け建設省経構発第2号「建設産業における生産システム合理化指針について」にも示されているとおり、一括下請負は種々の弊害を有するので、発注者の承諾が得られる場合でも極力避けるべきであるといえます。


Q6

一括下請負は、どの様な基準で判断されますか。

A6

一括下請負か否かの判断は、単に下請負業者数や下請負金額の多寡によって判断されるものではありません。その請け負った建設工事の完成について的確な技術者が適切に配置され、元請・下請ともその責任を応分に果たすなど誠実に履行できているかどうか、個別の建設工事毎に判断されます。


Q7

発注者の書面による承諾があれば一括下請負が認められるという規定がありますが、この書面には定められた様式(フォーム)がありますか。また、様式が無い場合、発注者からの見積依頼書や契約書に添付される契約仕様書等の契約書類に受注者と一括請負する業者名が連名で記載されていれば承諾を得たことになりますか。

A7

建設業法第22条第3項は、一括下請負の禁止の例外を定めたものです。一括下請負は、種々の弊害を有するので出来るだけ行わないようにして下さい。
当該規定により、元請負人が発注者からあらかじめ書面による承諾を得る場合の書面については特に定められた様式(フォーム)はありません。発注者の承諾を得る場合は、発注者の意思表示が明確に確認できる書面とすることが望ましいことから予め請負契約約款等に盛り込んでおくだけではトラブルが発生する場合があります。
なお、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の施行により、公共工事においては建設業法第22条第3項は適用されません。


Q8

当社の業務としては、いわゆる新設の建設工事の他に、修繕工事(整備・補修工事)や、運転管理などの委託業務などもありますが、一括下請負の禁止はすべての業務に及びますか。

A8

建設業法で一括下請負を禁止しているのは、「請け負った建設工事」ですので、建設工事の請負に該当するか否かが問題となります。
建設業法第24条において、「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」とされています。
新設工事や修繕工事は当然建設工事に該当しますが、運転管理のみであれば、社会通念上、建設工事に該当しないと考えられますが、その業務内容に修繕工事が含まれる場合など、建設工事に該当するような業務内容であれば、一括下請負は禁止されます。


Q9

以下のような施工体系の場合「一括下請負」が禁止される範囲はどこまでですか。
《施工体系》
【発注者】→【元請】→【一次下請】→【二次下請】→【三次下請】

A9

一括下請負が禁止されている範囲には制限がありません。二次下請と三次下請の間でも一括下請負と認定される場合があります。


Q10

《施工体系》
【事業主】→【建設会社A社】→【空調衛生工事B社】→【C社】

工事は、民間の病院建築工事です。元請の建設会社A社は所長以下スタッフを配して総合的に施工管理に当たります。
一次下請のB社は、空調衛生工事のすべてをC社に発注します。C社は主任技術者を配置して施工管理を行うと共に、複数の三次下請会社を使用して施工に当たります。
C社は、「B社とC社の間の取引が建設業法に抵触する恐れがある」として、元請会社に事業主の承諾を得てくださいと依頼をしました。
元請会社の回答は、「元請会社が総合的な施工管理に当たるので建設業法に抵触することはない。」とのことですが如何でしょうか。

A10

元請会社が総合的な施工管理に当たると言えども、B社が請け負った空調衛生工事の施工管理について実質的に関与していなければB社からC社への一括下請負の疑いが生じます。
請負金額の額が適正に定められたB社とC社の間における不当な中間搾取がなく、請負契約の内容も適正であり、工事の適正な施工が保証されている場合は、特にこれを禁止する理由及び実益がないことから発注者の書面による承諾を得ることで建設業法第22条第3項が適用されます(本項の規定は民間工事にのみ適用され公共工事には適用されません)。なお、承諾を得てもB社は技術者の配置が必要になります。

一括下請負が禁止されている範囲には制限がありません。二次下請と三次下請の間でも一括下請負と認定される場合があります。


Q11

 元請の請負金額が少額な場合、その工事を下請に発注した時の一括下請負の判断は変わりますか。

A11

 請負金額が少額であっても一括下請負の判断は変わりません。


Q12

 道路舗装工事を受注後、この工事との関連で、水道占用企業者である市、町から随意契約で受注した水道工事一式を、専門工事会社に下請させた場合、一括下請負に該当しますか。

A12

 一括下請負の判断は、関連工事であっても個々の契約単位で判断します。元請負人として自ら総合的に企画、調整及び指導を行い、下請負させた部分の施工につき実質的に関与していれば、一括下請負には該当しません。
専門工事業であっても元請負人の技術者が実質的に関与することが必要です。


Q13

 一次下請(建材商社)は、山留工事の鋼矢板リース及び鋼矢板の打抜工事を元請から材料と工事込みで受注しています。二次下請(当社)は工事の施工だけを受注しています。材料及びリース品は一次下請(建材商社)から直接支給されていることから、二次下請(当社)は部分的な下請負になり、一括下請負には該当しないと考えてよろしいでしょうか。

A13

 適正な品質の資材を調達することは、施工管理の一環である品質管理の一つではありますが、これだけを行っても、一次下請がその施工に関して実質的に関与していなければ、一括下請負に該当します。


Q14

 元請負人が現場管理と資機材の手配供給のみを行い実質施工をすべて下請した場合は、一括下請負と判断されますか。

A14

 元請負人の現場管理の内容が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の総合的な企画、工事の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導等)であれば、一括下請負とはなりません。


Q15

 施工管理の一部を下請に依存する場合、特に同じ品質確認を2度以上行う必要のある構造物等の場合の第一次確認を下請けに依存して元請が最終確認のみを行おうとする場合等は一括下請負と判断されますか。

A15

 建設工事の完成を請け負ったのですから、建設目的物の完成を誠実に履行する必要があります。同じく下請負人も建設工事の完成を請け負っているのですから主任技術者を配置して下請負人として適正な施工管理を行う必要があります。下請負人が適正な施工管理をしていたとしても元請負人として施工管理を怠ることは出来ません。


Q16

 A町より下水道本管工事(推進工事)を受注しB社と任意仮設(役務費、安全費等)及び施工管理を除いたすべてを外注契約しようと考えています。B社は主に推進工事を主力とする特定建設業者で、B社はさらに土工事をC者、仮設工事をD社、地盤改良工事をE社とそれぞれ二次下請負契約をする予定です。
工事現場の管理体制は当社の技術者2名が常駐して施工計画、工程管理、安全管理、品質管理を行います。
この場合、当社は本工事に関し「実質的関与」したことになり、一括下請負とならないのでしょうか。
《施工体系》
発注者  元請負  一次下請負 二次下請負
【A町】→【当社】→【B社】→【C社】(土工事)
              →【D社】(仮設工事)
              →【E社】(地盤改良工事)

A16

 ご質問のケースでは、元請負は、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理の他に住民への説明、近隣工事との調整、出来形管理、完成検査及び下請業者の施工調整・指導監督においても主体的な役割を果たしていることが必要です。
また、ご質問のとおり元請負と一次下請負が主たる工事(推進工事)の施工管理のみ行い自らの施工を行わない場合は、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等に関し、元請負人と一次下請負人との役割分担に合理的な説明が困難なケースが多いと考えられ、一括下請負に該当する場合があります。


Q17

 元請で工事を請け負い、工事を下請に出すとき、実質的に関与することによって、一括下請負(丸投げ)にならないとありますが、施工計画、工程管理、安全管理、下請負業者指導、監督などすべてを行わないと一括下請負(丸投げ)に該当するとのことですが、『すべて』というのは例えば、安全管理1つが抜けた場合でも一括下請負(丸投げ)に該当するのでしょうか。

A17

 実質的関与とは、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。
工事を施工管理する中で、一部分だけを行わないとは考え難く、例えば、安全管理を行わなかった場合は、それに関連して、施工計画、工程管理、下請への指導監督等についても一部関与していない場合も多いと考えられます。
実質的関与の度合いについては、その工事毎に規模や内容等が異なるため、個別の判断が必要です。


Q18

 出来型管理、品質管理について、下請負人の技術者が監視・測定を行い、その結果を元請負の監理技術者が評価し改善の指示を行うという契約は、元請負人が実質的に関与していないと見なされますか(地盤改良工事においては、改良材の投入量の管理はコンピューター制御になっており、現場監理の一部を下請に依存しなくてはならない場合があります)。

A18

 元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導を行うことが必要です。本件でも元請負人が果たしてこれらを行ったといえるかどうか、個別に判断する必要があります。


Q19

 一次下請の者が毎日1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二次下請に伝える方法は、口頭あるいは書面のいずれでも良いのでしょうか。また、必要とされる項目は規定等されているのでしょうか。

A19

 下請負人への指示は必ずしも書面を要するものではありませんが、施工不良や瑕疵が発生した場合など責任の所在が不明確になりかねないので、極力、作業指示書等の書面にて下請負人への指示を出すことが望ましいといえます。
また、必要とされる項目についての規定等はありません。なお、建設工事における施工体制において、一次下請が元請との打合わせ結果を二次下請に伝えるだけの行為を行っているだけでは一次下請は当該工事に実質的に関与しているとは言い難く、一括下請負に該当する可能性が高いと考えられます。


Q20

 一次以下の下請負人の『工事への実質的な関与』の内容は具体的にどのようなことですか。

A20

 工事への実質的な関与については、元請・下請で異なることはありません。一次以下の下請負人についても主任技術者は下請負人と、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、これら技術者が、建設業法第26条の3に規定されている施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び工事の施工に従事する者への技術上の指導監督の職務のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。


Q21

 土木一式工事の中に一部専門工事業種がありその部分を下請負契約しましたが、元請負人の技術者は専門工事業種に係る部分でも実質的な関与をしなければならないのでしょうか。

A21

 元請負人の主任技術者又は監理技術者は施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において主体的な役割を果たしていることが必要であり、専門工事の部分についても実質的関与をするか、自らが直接施工する場合は、一括下請負に該当しませんが、専門工事の部分に何ら関与しない場合は、合理的な説明が困難なケースが多いと考えられます。


Q22

 専門工事業種が主たる部分である場合その部分を専門工事業者に下請負させたときは、元請の技術者が実質的に関与しなければ一括下請負(丸投げ)と判断されますか。

A22

 専門工事業種であっても、元請の実質的関与は必要です。
元請負人がその下請工事の施工に実質的関与していると認められるときを除き、一括下請負に該当します。
実質的関与とは、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。


Q23

 鉄鋼橋梁など、鋼製構造物を工場で製作してから建設現場に搬入して据付工事を行う場合、工場での製作部分についても建設業法の適用があるのでしょうか。
具体的には、工場製作部分を一括して下請に出した場合、建設業法の一括下請負禁止に該当しますか。また、工場製作部分の金額が全体工事の5割以上を占める場合には、一括下請負に該当しますか。

A23

 橋梁の製作は建設工事の一部と解されます。したがって、他者に一括して製作を請け負わせた場合は、一括下請負に該当します。元請は、工場製作を含め請け負った建設工事全体に実質的に関与して下さい。
なお、単に下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものではありません。
鉄鋼橋梁など、鋼製構造物等の工場製作過程における技術者の専任の基本的な考え方は、「監理技術者資格者証運用マニュアルについて(平成6年12月28日付建設省経建発第395号)」の通達の、「二.技術者の工事現場における専任、(3)工事現場における技術者の専任の基本的な考え方」のとおりです。(以下抜粋)
発注者から直接建設工事を請け負った建設業者にあっては、基本的には契約工期をもって主任技術者又は監理技術者を専任で設置すべき期間とする。
ただし、次のような場合にそれぞれ掲げる期間については、設置される技術者は、必ずしも専任を要しないが、いずれの場合も、その期間について手続上明確になっている必要がある。
橋梁工事等に含まれる工場製作過程で、同一工場内で他の同種工事に係る製作と一元的な管理体制のもとで行われる場合当該工場製作のみが稼働している期間


Q24

 一次下請のA社と契約金額の50%を超えて下請契約すると、一括下請負に該当すると指摘されました。これは一括下請負に該当しますか。

A24

 下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものではありません。
下請との契約が発注者との契約金額の50%を超えていても元請が当該工事に実質的に関与していれば一括下請負に該当しません。
なお、一括下請負に該当するか否かの判断は、許可部局(業法所管部局)が行うこととなります。


Q25

 ある工事の一次下請であるA社と、同じく一次下請であるB社の双方から、共にC社が二次下請として契約することは問題になりますか。工種が同じ場合と、異なる場合で違いがありますか。

A25

 工種が同じ場合や異なる場合には関係なく、建設業法の適用を逃れるために行っていないことを十分に証明できるような、下請負契約書により工事内容等を点検し、実質的な関与について把握する必要があります。

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