許可Q&A

Q1

元請から建材商社が下請負をして、当社が再下請負をしましたが、建材商社の主任技術者は3日に1回程度しか現場に来ません。このような施工体系の場合、一括下請負に該当しますか。

A1

建材商社の工事への実質的関与が認められなければ一括下請負に該当します。
ご質問の工事で、建材商社の主任技術者が3日に1回程度しか現場に入場せず、下請である貴社が元請の管理・指導を直接受けて下請負工事を主体的に行った場合は、一括下請負に該当する可能性が高くなります。


 Q2

2,500万円未満の工事で、一次下請(建材商社)の主任技術者が毎日1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二次下請(当社)に伝える方法を取った場合でも一括下請負に該当しますか。

A2

2,500万円(建築一式工事にあっては5,000万円)未満の工事について専任を要しないのは、兼任が許されるという意味であって、専任を要する工事の場合と主任技術者や監理技術者の職務が異なるわけではありません。したがって、建設業法第26条の3に定めた技術者の職務を誠実に履行する必要があります。
元請負人との打ち合わせと下請負人への指示だけを行っているのであれば、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理等、本来下請の技術者が行うべき管理等に実質的に関与しているとは考えにくく、一括下請負に該当する可能性が高いものと考えられます。


 Q3

受注した建築工事で建築工事業の技術者が諸事情により不在になってしまい、その工事を他社に一括下請負を行った場合、建設業法違反になりますか。

A3

主任技術者又は監理技術者が不在になってしまった等いかなる事情又は施工途中等いかなる時点であっても他社に一括下請負を行った場合は建設業法違反となります。
万一、当該理由に至った場合は、発注者又は元請の不利益にならないよう速やかに発注者又は元請に相談の上適切に対処して下さい。


Q4

在籍出向者を監理技術者にする事は一括下請負に該当するとされていますが、有期移籍を含めた長期出向者を監理技術者にした場合には、一括下請負と判断されますか。

A4

建設工事の管理をつかさどる主任技術者又は監理技術者は、直接的かつ恒常的な雇用関係にある者である必要があります。したがっていかなる場合であっても在籍出向者は主任技術者又は監理技術者にはなれません。


Q5

一括下請負は、公共工事のみに該当するのでしょうか。

A5

すべての建設工事においては、一括下請負は原則禁止(建設業法第22条)されています。
特に、公共工事においては、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の施行に伴い、一括下請負は全面的に禁止されました。
民間工事については、元請が発注者に書面で承諾を得た場合はこの限りではありませんが、平成3年2月5日付け建設省経構発第2号「建設産業における生産システム合理化指針について」にも示されているとおり、一括下請負は種々の弊害を有するので、発注者の承諾が得られる場合でも極力避けるべきであるといえます。


Q6

一括下請負は、どの様な基準で判断されますか。

A6

一括下請負か否かの判断は、単に下請負業者数や下請負金額の多寡によって判断されるものではありません。その請け負った建設工事の完成について的確な技術者が適切に配置され、元請・下請ともその責任を応分に果たすなど誠実に履行できているかどうか、個別の建設工事毎に判断されます。


Q7

発注者の書面による承諾があれば一括下請負が認められるという規定がありますが、この書面には定められた様式(フォーム)がありますか。また、様式が無い場合、発注者からの見積依頼書や契約書に添付される契約仕様書等の契約書類に受注者と一括請負する業者名が連名で記載されていれば承諾を得たことになりますか。

A7

建設業法第22条第3項は、一括下請負の禁止の例外を定めたものです。一括下請負は、種々の弊害を有するので出来るだけ行わないようにして下さい。
当該規定により、元請負人が発注者からあらかじめ書面による承諾を得る場合の書面については特に定められた様式(フォーム)はありません。発注者の承諾を得る場合は、発注者の意思表示が明確に確認できる書面とすることが望ましいことから予め請負契約約款等に盛り込んでおくだけではトラブルが発生する場合があります。
なお、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の施行により、公共工事においては建設業法第22条第3項は適用されません。


Q8

当社の業務としては、いわゆる新設の建設工事の他に、修繕工事(整備・補修工事)や、運転管理などの委託業務などもありますが、一括下請負の禁止はすべての業務に及びますか。

A8

建設業法で一括下請負を禁止しているのは、「請け負った建設工事」ですので、建設工事の請負に該当するか否かが問題となります。
建設業法第24条において、「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」とされています。
新設工事や修繕工事は当然建設工事に該当しますが、運転管理のみであれば、社会通念上、建設工事に該当しないと考えられますが、その業務内容に修繕工事が含まれる場合など、建設工事に該当するような業務内容であれば、一括下請負は禁止されます。


Q9

以下のような施工体系の場合「一括下請負」が禁止される範囲はどこまでですか。
《施工体系》
【発注者】→【元請】→【一次下請】→【二次下請】→【三次下請】

A9

一括下請負が禁止されている範囲には制限がありません。二次下請と三次下請の間でも一括下請負と認定される場合があります。


Q10

《施工体系》
【事業主】→【建設会社A社】→【空調衛生工事B社】→【C社】

工事は、民間の病院建築工事です。元請の建設会社A社は所長以下スタッフを配して総合的に施工管理に当たります。
一次下請のB社は、空調衛生工事のすべてをC社に発注します。C社は主任技術者を配置して施工管理を行うと共に、複数の三次下請会社を使用して施工に当たります。
C社は、「B社とC社の間の取引が建設業法に抵触する恐れがある」として、元請会社に事業主の承諾を得てくださいと依頼をしました。
元請会社の回答は、「元請会社が総合的な施工管理に当たるので建設業法に抵触することはない。」とのことですが如何でしょうか。

A10

元請会社が総合的な施工管理に当たると言えども、B社が請け負った空調衛生工事の施工管理について実質的に関与していなければB社からC社への一括下請負の疑いが生じます。
請負金額の額が適正に定められたB社とC社の間における不当な中間搾取がなく、請負契約の内容も適正であり、工事の適正な施工が保証されている場合は、特にこれを禁止する理由及び実益がないことから発注者の書面による承諾を得ることで建設業法第22条第3項が適用されます(本項の規定は民間工事にのみ適用され公共工事には適用されません)。なお、承諾を得てもB社は技術者の配置が必要になります。

一括下請負が禁止されている範囲には制限がありません。二次下請と三次下請の間でも一括下請負と認定される場合があります。


Q11

 元請の請負金額が少額な場合、その工事を下請に発注した時の一括下請負の判断は変わりますか。

A11

 請負金額が少額であっても一括下請負の判断は変わりません。


Q12

 道路舗装工事を受注後、この工事との関連で、水道占用企業者である市、町から随意契約で受注した水道工事一式を、専門工事会社に下請させた場合、一括下請負に該当しますか。

A12

 一括下請負の判断は、関連工事であっても個々の契約単位で判断します。元請負人として自ら総合的に企画、調整及び指導を行い、下請負させた部分の施工につき実質的に関与していれば、一括下請負には該当しません。
専門工事業であっても元請負人の技術者が実質的に関与することが必要です。


Q13

 一次下請(建材商社)は、山留工事の鋼矢板リース及び鋼矢板の打抜工事を元請から材料と工事込みで受注しています。二次下請(当社)は工事の施工だけを受注しています。材料及びリース品は一次下請(建材商社)から直接支給されていることから、二次下請(当社)は部分的な下請負になり、一括下請負には該当しないと考えてよろしいでしょうか。

A13

 適正な品質の資材を調達することは、施工管理の一環である品質管理の一つではありますが、これだけを行っても、一次下請がその施工に関して実質的に関与していなければ、一括下請負に該当します。


Q14

 元請負人が現場管理と資機材の手配供給のみを行い実質施工をすべて下請した場合は、一括下請負と判断されますか。

A14

 元請負人の現場管理の内容が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の総合的な企画、工事の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導等)であれば、一括下請負とはなりません。


Q15

 施工管理の一部を下請に依存する場合、特に同じ品質確認を2度以上行う必要のある構造物等の場合の第一次確認を下請けに依存して元請が最終確認のみを行おうとする場合等は一括下請負と判断されますか。

A15

 建設工事の完成を請け負ったのですから、建設目的物の完成を誠実に履行する必要があります。同じく下請負人も建設工事の完成を請け負っているのですから主任技術者を配置して下請負人として適正な施工管理を行う必要があります。下請負人が適正な施工管理をしていたとしても元請負人として施工管理を怠ることは出来ません。


Q16

 A町より下水道本管工事(推進工事)を受注しB社と任意仮設(役務費、安全費等)及び施工管理を除いたすべてを外注契約しようと考えています。B社は主に推進工事を主力とする特定建設業者で、B社はさらに土工事をC者、仮設工事をD社、地盤改良工事をE社とそれぞれ二次下請負契約をする予定です。
工事現場の管理体制は当社の技術者2名が常駐して施工計画、工程管理、安全管理、品質管理を行います。
この場合、当社は本工事に関し「実質的関与」したことになり、一括下請負とならないのでしょうか。
《施工体系》
発注者  元請負  一次下請負 二次下請負
【A町】→【当社】→【B社】→【C社】(土工事)
              →【D社】(仮設工事)
              →【E社】(地盤改良工事)

A16

 ご質問のケースでは、元請負は、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理の他に住民への説明、近隣工事との調整、出来形管理、完成検査及び下請業者の施工調整・指導監督においても主体的な役割を果たしていることが必要です。
また、ご質問のとおり元請負と一次下請負が主たる工事(推進工事)の施工管理のみ行い自らの施工を行わない場合は、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等に関し、元請負人と一次下請負人との役割分担に合理的な説明が困難なケースが多いと考えられ、一括下請負に該当する場合があります。


Q17

 元請で工事を請け負い、工事を下請に出すとき、実質的に関与することによって、一括下請負(丸投げ)にならないとありますが、施工計画、工程管理、安全管理、下請負業者指導、監督などすべてを行わないと一括下請負(丸投げ)に該当するとのことですが、『すべて』というのは例えば、安全管理1つが抜けた場合でも一括下請負(丸投げ)に該当するのでしょうか。

A17

 実質的関与とは、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。
工事を施工管理する中で、一部分だけを行わないとは考え難く、例えば、安全管理を行わなかった場合は、それに関連して、施工計画、工程管理、下請への指導監督等についても一部関与していない場合も多いと考えられます。
実質的関与の度合いについては、その工事毎に規模や内容等が異なるため、個別の判断が必要です。


Q18

 出来型管理、品質管理について、下請負人の技術者が監視・測定を行い、その結果を元請負の監理技術者が評価し改善の指示を行うという契約は、元請負人が実質的に関与していないと見なされますか(地盤改良工事においては、改良材の投入量の管理はコンピューター制御になっており、現場監理の一部を下請に依存しなくてはならない場合があります)。

A18

 元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導を行うことが必要です。本件でも元請負人が果たしてこれらを行ったといえるかどうか、個別に判断する必要があります。


Q19

 一次下請の者が毎日1回現場に顔を出し元請と打合せをし、その結果を二次下請に伝える方法は、口頭あるいは書面のいずれでも良いのでしょうか。また、必要とされる項目は規定等されているのでしょうか。

A19

 下請負人への指示は必ずしも書面を要するものではありませんが、施工不良や瑕疵が発生した場合など責任の所在が不明確になりかねないので、極力、作業指示書等の書面にて下請負人への指示を出すことが望ましいといえます。
また、必要とされる項目についての規定等はありません。なお、建設工事における施工体制において、一次下請が元請との打合わせ結果を二次下請に伝えるだけの行為を行っているだけでは一次下請は当該工事に実質的に関与しているとは言い難く、一括下請負に該当する可能性が高いと考えられます。


Q20

 一次以下の下請負人の『工事への実質的な関与』の内容は具体的にどのようなことですか。

A20

 工事への実質的な関与については、元請・下請で異なることはありません。一次以下の下請負人についても主任技術者は下請負人と、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、これら技術者が、建設業法第26条の3に規定されている施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び工事の施工に従事する者への技術上の指導監督の職務のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。


Q21

 土木一式工事の中に一部専門工事業種がありその部分を下請負契約しましたが、元請負人の技術者は専門工事業種に係る部分でも実質的な関与をしなければならないのでしょうか。

A21

 元請負人の主任技術者又は監理技術者は施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において主体的な役割を果たしていることが必要であり、専門工事の部分についても実質的関与をするか、自らが直接施工する場合は、一括下請負に該当しませんが、専門工事の部分に何ら関与しない場合は、合理的な説明が困難なケースが多いと考えられます。


Q22

 専門工事業種が主たる部分である場合その部分を専門工事業者に下請負させたときは、元請の技術者が実質的に関与しなければ一括下請負(丸投げ)と判断されますか。

A22

 専門工事業種であっても、元請の実質的関与は必要です。
元請負人がその下請工事の施工に実質的関与していると認められるときを除き、一括下請負に該当します。
実質的関与とは、直接的かつ恒常的な雇用関係にある技術者を適切に配置し、発注者との協議、住民への説明、官公庁等への届出等、近隣工事との調整、施工計画、工程管理、出来型・品質管理、完成検査、安全管理、下請業者の施工調整・指導監督等のすべての面において、主体的な役割を果たしていることが必要です。


Q23

 鉄鋼橋梁など、鋼製構造物を工場で製作してから建設現場に搬入して据付工事を行う場合、工場での製作部分についても建設業法の適用があるのでしょうか。
具体的には、工場製作部分を一括して下請に出した場合、建設業法の一括下請負禁止に該当しますか。また、工場製作部分の金額が全体工事の5割以上を占める場合には、一括下請負に該当しますか。

A23

 橋梁の製作は建設工事の一部と解されます。したがって、他者に一括して製作を請け負わせた場合は、一括下請負に該当します。元請は、工場製作を含め請け負った建設工事全体に実質的に関与して下さい。
なお、単に下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものではありません。
鉄鋼橋梁など、鋼製構造物等の工場製作過程における技術者の専任の基本的な考え方は、「監理技術者資格者証運用マニュアルについて(平成6年12月28日付建設省経建発第395号)」の通達の、「二.技術者の工事現場における専任、(3)工事現場における技術者の専任の基本的な考え方」のとおりです。(以下抜粋)
発注者から直接建設工事を請け負った建設業者にあっては、基本的には契約工期をもって主任技術者又は監理技術者を専任で設置すべき期間とする。
ただし、次のような場合にそれぞれ掲げる期間については、設置される技術者は、必ずしも専任を要しないが、いずれの場合も、その期間について手続上明確になっている必要がある。
橋梁工事等に含まれる工場製作過程で、同一工場内で他の同種工事に係る製作と一元的な管理体制のもとで行われる場合当該工場製作のみが稼働している期間


Q24

 一次下請のA社と契約金額の50%を超えて下請契約すると、一括下請負に該当すると指摘されました。これは一括下請負に該当しますか。

A24

 下請負金額の多寡では一括下請負か否かの判断をされるものではありません。
下請との契約が発注者との契約金額の50%を超えていても元請が当該工事に実質的に関与していれば一括下請負に該当しません。
なお、一括下請負に該当するか否かの判断は、許可部局(業法所管部局)が行うこととなります。


Q25

 ある工事の一次下請であるA社と、同じく一次下請であるB社の双方から、共にC社が二次下請として契約することは問題になりますか。工種が同じ場合と、異なる場合で違いがありますか。

A25

 工種が同じ場合や異なる場合には関係なく、建設業法の適用を逃れるために行っていないことを十分に証明できるような、下請負契約書により工事内容等を点検し、実質的な関与について把握する必要があります。

Q1

水処理場の工事をJV(A・B2社)で受注したところ、工事内容のうち設備工事はA社に、土木建築工事はB社にそれぞれJVから下請発注することを考えています。このような場合建設業法上問題はあるのでしょうか。

A1

共同企業体については、それ自体法人格を有しないことから、構成員との間では、自己契約(民法第108条)に該当します。
建設業法に規定する「下請契約」としては認めがたいものですが、工事が適切に施工されているのであれば単に構成員が共同企業体と契約を締結したことのみをもって、直ちに建設業法違反となるものではありません。
しかし、このような契約は、JV制度の趣旨に反し、又は一括下請負に該当するなど建設業法違反となるおそれが高く、適当ではないと思われます。


 Q2

建設工事の下請け契約をする際に、JVによる下請けを希望された場合、何らかの制約がありますか。

施工体制:
発注者→元請負人(当社)→下請負人(2社JV)→二次下請負・・・
のような体系です。

A2

国土交通省で活用を促進している共同企業体制度は、発注者から直接工事を請け負う元請としての共同企業体を前提としています。
下請が共同企業体であることについて法的な規制はありませんが、施工技術上の必然性もないなど合理的な説明が困難であることから、それぞれの建設業者と下請契約を締結することが適切であると考えます。

Q1

どのような請負契約をした場合、施工体制台帳及び施工体系図に記載する必要がありますか。

A1

建設工事の完成を目的とした請負契約を締結し、下請契約の総額が一定金額以上となる場合は、施工体制台帳に及び施工体系図へ記載することとされております。ただし、施工体制台帳の作成等が義務付けられない場合であっても、建設工事の適正な施工を確保する観点から、施工体制台帳の作成等を行うことが望ましいとされております。

① 建設資材(生コン、ブロック等)の納入業者
② 仮設材のリース業者
③ 警備業者
④ 資機材の運搬(運送)業者
⑤ レッカー車の運転業者

①~⑤の業者については、いずれも建設工事の請負契約に該当しないため、建設業法上は施工体制台帳及び施工体系図への記載義務はありません。ただし、国土交通省発注工事については、「一次下請負人となる警備会社」の記載が求められているものもありますので、各発注者と十分協議確認をする必要があります。

⑥発注者から貸与された機械設備の運転管理
⑦ボーリング調査を伴う土壌分析
⑧河川工事における警戒船業務
⑨測量・調査工(土壌試験、分析、家屋調査等)

⑥~⑨については、建設工事には該当しないと考えられますが、契約の内容及び作業(工事)の内容を契約ごとに個別に判断する必要があります。

➉トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース

➉については建設機械のリースをオペレーター付で契約するものと考えられますが、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられますので、建設工事の請負契約に当たるものと考えられます。


 

Q2

建設工事の契約を日々の単価契約で行っている場合、施工体制台帳への記載及び主任技術者が必要となるのでしょうか。

A2

建設業法第24条では、「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」と規定されており、上記の場合も建設工事の請負契約となります。
したがって、施工体制台帳への記載及び主任技術者が必要となります。


 

Q3

施工体制台帳には、単発業者、小規模(小額)な作業や雑工及び応援の労務提供業者など、すべてを記載しなければならないのでしょうか。

A3

公共工事・民間工事を問わず、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者で当該建設工事を施工するために締結した下請け契約の請負代金の合計が3,000万円(建築一式工事の場合は4,500万円)以上となる場合は、施工体制台帳、施工体系図を作成しなければなりません。施工体制台帳には、工事の期間、規模の大小等に係わらず、その建設工事に携わったすべての業者を記載しなければなりません。

Q1

一つの工事の現場代理人をしていて、その工事が一時中断された場合、工事休止期間中に他の工事の現場代理人として携わることができますか。

A1

建設業法では、現場代理人の専任は義務付けはしていません。
しかし、現場代理人を置く場合には、例えば公共工事標準請負契約約款上では当該工事現場に常駐することとされています。それぞれの工事の請負契約条項に違反しないか等を各発注者と十分協議して下さい。

公共工事標準請負契約約款においては、現場代理人の専任を規定しています。
また、国土交通省発注工事については、請負契約に基づき、工事休止期間中でも現場代理人は工事現場に常駐していることとしています。


 

Q2

営業所ごとに置かなければならない専任技術者を、現場代理人として工事現場に従事させることは建設業法違反になりますか。
また、営業所と工事場所が至近距離であり、朝夕ともに営業所からの出社退社が可能な場合、専任技術者を、現場代理人として工事現場に従事させることは建設業法違反になりますか。

A2

営業所の専任技術者は、その営業所に常勤して専らその職務に従事することが必要であり、現場代理人が現場に常駐となる場合には、専任技術者としての職務が果たせなくなるので、建設業法上は、専任技術者の設置違反となります。

営業所と工事現場が至近距離であっても営業所の専任技術者が工事現場に常駐となる場合は、建設業法違反になります。

Q1

密接な関係のある2つ以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合に、同一の主任技術者又は監理技術者が専任でこれに当たることができますか。

A1

密接な関係のある2つ以上の工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができるが、専任の監理技術者については、この規定は適用されません。

ただし、発注者が同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められるものについては、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の主任技術者又は同一の監理技術者が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的であると考えられることから、これを1つの工事とみなして、当該技術者が当該工事全体を管理することができます。

この場合、一般建設業と特定建設業の区分、主任技術者と監理技術者の区分等の適用については、1つの工事としてこれらの規定を適用する。


 

Q2

監理技術者、主任技術者に適用される専任性の特例として、一体性が認められる複数工事全体を管理することができる場合の、「一体性」はどのように証明すればよいのでしょうか。

A2

一体性が認められる工作物等であるかは、個々の建設工事の状況を踏まえて判断しなければなりませんが、少なくとも、「発注者が同一の建設業者と締結するものであること」、「契約工期が重複する請負契約であること」、「当初の請負契約以外が随意契約により締結されるものであること」等が必要です。
一体性が認められる工作物等であるかは、建設工事の内容を把握している発注者と十分な協議・確認を行い、疑念が残る場合には許可部局(業法所管部局)に個別にお尋ね下さい。


 

Q3

施工体制台帳に記載が必要な下請業者は、すべてに主任技術者を設置しなければならないのでしょうか。

A3

下請業者との契約が建設工事である場合は、主任技術者を設置しなければなりません。
建設工事に該当しないもの(測量や各種試験等)は主任技術者を設置する必要はありません。
また、仮設・準備工事であっても建設工事であれば主任技術者を設置しなければなりません。


 

Q4

ある工事の一次下請であるA社と、同じく一次下請であるB社の双方から、共にC社が二次下請として契約し、かつA、B両社からのC社の請負金額がそれぞれが2,500万円未満ならば、C社の主任技術者は両方を兼務してよろしいでしょうか。

A4

それぞれの請負金額が2,500万円未満ならば、どちらも専任となりません。
ただし、適正な施工を確保するためには、可能な限り工事現場ごとに専任とすることが望ましく、建設業者がこの点十分な配慮をすることが期待されています。


 

Q5

建設工事によっては配置技術者は専任(常駐)を義務付けられていますが、受注後、同等以上の資格を有する技術者に変更することは可能でしょうか。

A5

監理技術者の設置の考え方として、工事途中で施工管理をつかさどっている責任ある技術者を変更することは、適正な建設工事の施工の確保の観点からは好ましいものではない。とされています。
しかし、個別の建設工事においては、施工に当たって建設業者等のやむを得ない事由等に限り、配置技術者の交換等が必要となることも考えられるため、発注者とも十分協議の上、建設工事の適正な施工に支障とならない範囲において対処することが必要です。


 

Q6

一級建築士事務所と一件の工事に限り施工管理に係る契約を結び、当社で施工してもよろしいのでしょうか。

A6

現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者又は監理技術者を設置しなければならないこととなっています。その者は、直接的かつ恒常的な雇用関係にある者である必要があります。したがって施工管理に係る契約を他社と結び施工管理をつかさどる主任技術者又は監理技術者が他社の者であれば、建設業法第26条違反になります。

Q1

警備会社と契約し、ガードマンを派遣してもらいました。これは、下請負契約になりますか。

A1

ガードマンの派遣については、派遣契約に当たるものと考えられ、建設工事の下請負契約には当たらないものと考えられます。
建設業法第24条で「請負契約とみなす場合」として、「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」とさ
れており、契約の実態に則して判断する必要があることに注意を要します。


 

Q2

土工機械をオペレーター付で専門業者と常用(施工範囲等の指定は行わず、元請けの技術者の指示により作業)で契約した場合、下請負契約になりますか。

A2

土工機械をオペレーター付で契約する場合、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請負契約に当たるものと考えられます。


 

Q3

現在、舗装工事などで広く用いられている「オペレーター付きリース契約」は、建設業法第24条に規定される請負契約に当たりますか。

A3

オペレーター付で契約する場合、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請負契約に当たるものと考えられます。


 

Q4

次のような作業を元請が協力会社と請負契約をする場合、協力会社において建設業許可は必要ですか。
①発注者から貸与された機械設備の運転管理
②ボーリング調査を伴う土壌分析
③トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース
④河川工事における警戒船業務
⑤測量・調査工(土壌試験、分析、家屋調査等)

A4

建設工事の完成を目的とした契約を締結し、一定金額以上の工事を請け負う場合は、建設業の許可が必要となります。
①、②、④、⑤については、建設工事には該当しないと考えられますが、契約の内容及び作業(工事)の内容を契約ごとに個別に判断する必要があります。
③については、建設機械のリースをオペレーター付で契約するものと考えられますが、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられ、建設工事の請負契約に当たるものと考えられます。


 

Q5

建設会社に労務提供を依頼しました。この契約は下請負契約になりますか。

A5

単なる労務提供であれば、建設業法第24条は適用されず、建設工事の下請負契約には当たらないものと考えられます。しかし、建設工事の完成を請負わせる場合には、下請負契約に当たります。


 

Q6

労働者派遣法による労働者派遣契約とすることは問題ないでしょうか。

A6

労働者派遣については、労働者派遣法第2条第1号において「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と規定されています。
しかしながら、同法第4条第1項において労働者派遣事業の適用除外となる業務を定めており、同項第2号に「建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)」が規定されています。
そのため、請負契約で行わない場合は、労働者派遣法違反のおそれがありま
す。


 

Q7

作業員を常傭作業員として他の建設会社から調達する場合、建設工事の請負契約となるのでしょうか。

A7

建設工事の請負契約に該当すると考えられます。
なお、請負契約で行わない場合は、労働者派遣法違反に該当する可能性があります。
建設業法第24条では、「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」と規定されており、建設工事の請負
契約となります。


 

Q8

請負契約の場合と、単価契約の場合の違いがあれば教えてください。また、単価契約をした場合、施工体制台帳及び施工体系図に記載する必要がありますか。

A8

単価契約の場合についても、実態として建設工事の完成を目的として締結されているのであれば、建設業法の適用を受けます。従って、施工体制台帳及び施工体系図への記載が必要です。


 

Q9

クレーン作業やコンクリートポンプ打設等は、日々の単価契約で行っている場合が多いのですが、建設工事の請負契約となるでしょうか。
なお、建設工事の請負契約とされた場合、施工体制台帳への記載及び主任技術者の設置が必要となるのでしょうか。

A9

日々の単価契約で行っている場合でも建設工事の請負契約に該当すると考えられます。従いまして、施工体制台帳への記載及び主任技術者の設置が必要となります。
建設業法第24条では、「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」と規定されています。


 

Q10

単価契約による建設工事の請負契約を締結する場合の見積単価の設定は、平米単価、人工単価等がありますが、いずれにしても建設業法第18条及び第19条の規定を踏まえ適切な契約を締結し、当事者間の権利義務関係を明確にし
ておき、事後に紛争が生じないよう努めることが必要です。
なお、見積等は、契約の前に適切に行い契約締結前に金額を決めて下さい。契約後に作業量等が変更した場合は、その時点で変更契約を締結して下さい。見積、当初の契約及び変更契約等を適切に行わないと工事代金の支払い等様
々なトラブルの原因になります。

A10

オペレーター付で契約する場合、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請負契約に当たるものと考えられます。


 

Q11

建設業法における「元請負人」とは元請業者を指し、「下請負人」とは1次下請業者のことを指すのでしょうか。

A11

元請負人と下請負人については、建設業法第2条第5項において次のように定義されています。
「発注者」=建設工事(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者
「元請負人」=下請契約における注文者で建設業者であるもの
「下請負人」=下請契約における請負人

通称 発注者⇒ 元請業者⇒ 一次下請⇒ 二次下請⇒ 三次下請

建設業法上 発注者⇒ 元請業者⇒ 下請業者
               元請業者⇒ 下請業者
                    元請業者⇒ 下請業者


 

Q12

相指名業者が下請業者となることや、相指名業者から、合材を購入することは問題がありますか。

A12

建設業法上は、問題ありません。
ただし、発注者の判断として、個別相指名業者の下請参入等について何らかの取扱いを行っている場合がありますので個々の発注者と相談して下さい。


 

Q13

発注者からは、据付工事込みの***設備設計・製作という件名で売買契約扱いで注文が出る予定です。これは、建設業法でいう’請負契約’に該当しますか。

A13

据付工事込みの売買契約は、請負契約に該当すると考えられます。
建設業法第24条では、「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」と規定されています。
ご質問のような場合、発注者は、当該物品を工作物等に取り付けることを前提として契約をしており、また、当該物品は工作物等に取り付けして初めてその機能を発揮することから当該物品は、建設工事の材料に該当すると考えられ
ます。

Q1

JVにおける各構成員ごとの完成工事高の計上方法を教えて下さい。

A1

共同施工方式(甲型)のJVで施工した工事の完成工事高の計上方法は、工事請負代金に各構成員の出資比率を乗じて得た額となります。

分担施工方式(乙型)のJVで施工した工事の完成工事高の計上方法は、運営委員会で定めた各構成員の分担工事の額となります。


 

Q2

経営事項審査申請書に職員数を記載する欄があり、「兼業事業に従事する使用人」とありますが、この兼業とは何を指すのでしょうか。

A2

兼業事業に従事する使用人とは、雇用期間を特に限定することなく雇用された者で建設業以外の事業に従事する者の数です。主として建設業に従事する職員以外は、兼業事業に従事する使用人と考えられます。個々の勤務状況によっても異なり、個別に判断することになります。


 

Q3

経営事項審査申請の自己資本の額の算出式として、法人の場合、資本金+新株式払込金+法定準備金+任意積立金+利益処分における準備金・積立金(取崩の場合は控除)・資本金・次期繰越利益となっていましたが、平成13年度の商法改正により新たに自己株式を取得又は保有している場合、貸借対照表上赤字計上すると思いますが、自己資本の額に新たに計上する必要はありますか。

A3

平成14年10月1日以降経営事項審査の評価として自己株式も自己資本に含まれることとなりました。なお、経営事項審査申請の自己資本の額の算出式は以下のとおりです。

資本金+新株式払込金+資本剰余金+利益準備金+任意積立金+土地再評価差額金+株式等評価差額金+自己株式(△)+利益処分における準備金・積立金(取崩の場合は控除)・資本金・次期繰越利益


 

Q4

「・・・定期点検」「・・・保守」等の件名の工事がありますが、これらは、工事経歴あるいは経営事項審査の完成工事高に計上することが出来ますか。

A4

単なる「・・・定期点検」「・・・保守」等は建設工事には該当しないと思われます。ただし、建設業法第24条に規定されているとおり、如何なる名義に関わらず、建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約となります。

件名で建設工事に該当するかしないかは判断されるものではなく、発注者とどういった内容の契約をしたかで判断されますが、建設工事であれば完成工事高あるいは経営事項審査の完成工事高に計上出来ます。

Q1

軽微な工事(500万円未満)は建設業許可がなくても請け負うことは可能ですが(建設業法第3条第1項)、下記の場合、軽微な工事の範囲となりますか。

① 独立した工種毎に契約があり、個別には請負金額が500万円未満だが、合計すると500万円以上になる場合

② 元請工期が長期間の場合で、500万円未満の工事を請け負った後に長期間の間を置いて再度500万円未満の工事を請け負ったが、合計すると500万円以上になる場合

③ はつり、雑工事等で断続的な小口の契約であるが、合計すると500万円以上になる場合

④ 上記のような場合には、1年毎の単位、あるいは工種毎での判断ができませんか。

⑤ 建設業法施行令第1条の2第2項に「ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない」とありますが、具体的にはどのようなケースなのか例示して下さい。

A1

① 工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額とする事になっていることから、軽微な工事の範囲とはならないと考えられます。(建設業法施行令第1条の2第2項)

② ①と同様の考え方から軽微な工事とはならないと考えられます。

③ 例えば、単価契約で工事を行った場合に総価(単価×数量)が、500万円以上になる場合は、軽微な工事の範囲にならないと考えられます。

④ 1年毎の単位、あるいは、工種毎には判断できません。

⑤ 建設業法施行令第1条の2第2項の「正当な理由」があると認めるには、建設業法の適用を逃れるために契約の分割を行うものではないことを十分に証明できることが必要で、個別のケースに応じて許可部局(業法所管部局)が判断する必要があります。


 

Q2

一式工事を受注し、その中で併せて専門工事も施工する建設業者は、

① 専門工事についての主任技術者の資格を持っている者を専門技術者として配置する。(一式工事の主任技術者、監理技術者にその資格があれば兼ねることができる)

② その専門工事について建設業の許可を受けている専門工事業者に下請負させる。

のいずれかを選択しなければならないとされていますが、元請が受注した土木一式工事(例えば、とび・土工工事、石工事、舗装工事、鉄筋工事を含む場合)において、とび・土工工事と鉄筋工事について下請負させる場合、当該下請負人に必要とされる建設業許可業種は何ですか。

A2

一般的には、とび・土工工事業と鉄筋工事業の双方の許可を有していなければならないと考えます。
なお、土木一式工事については、必ずしも2つ以上の専門工事の組み合わせという意味ではなく、工事の規模・複雑性等からみて総合的な企画、指導、調整が必要で個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれます。


 

Q3

「・・・定期点検」「・・・保守」等の件名の工事がありますが、これらに従事した経験は建設業法第7条第2号イ又はロ及び法第15条2号ロの実務経験として認められますか。また、これらの工事を実施する際、主任技術者や監理技術者の配置が義務づけられますか。

A3

単なる「・・・定期点検」「・・・保守」等は建設工事には該当しないと思われます。ただし、建設業法第24条に規定されているとおり、如何なる名義に関わらず、建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約となります。
件名で建設工事に該当するかしないかは判断されるものではなく、発注者とどういった内容の契約をしたかで判断されますが、建設工事であれば実務経験として認められます。また、規模に応じて主任技術者又は監理技術者の配置も義務付けられます。


 

Q4

「建設業法第15条第2号イの国土交通大臣が定める試験及び免許を定める件」(昭和63年6月6日建設省告示第1317号)によれば、鉄筋工事業の許可に要する営業所の専任技術者については、一級の建築施工管理の技術検定に合格した者となっているが、一級の土木施工管理の技術検定に合格した者はなぜ専任技術者になれないのでしょうか。(技術管理上問題があるとは考えにくい)

A4

鉄筋工事業の許可に要する専任技術者については、建設業法による技術検定種目のうち一級の建築施工管理及び二級の建築施工管理(躯体に限る)並びに技能検定合格者(各種条件設定があります。)となっています。

鉄筋構造物の鉄筋組立技術は、建築構造物の一つと考えられており、建築関係の資格が必要とされています。

また、建築施工管理技術検定試験の受験資格に必要な実務経験として鉄筋工事は含まれますが、土木施工管理技術検定試験の受験資格に必要な実務経験では、鉄筋工事は含まれません。

出向者を主任技術者・監理技術者として現場に配置できるか?

結論から言うと、出向者や派遣社員などを主任技術者・監理技術者として現場に配置することはできません。

建設工事の適正な施工の確保のため、主任技術者及び監理技術者については、それぞれが属する建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係を有することが必要とされます。直接的な雇用関係とは、主任技術者及び監理技術者とその所属建設業者との間に第三者の介入する余地のない雇用に関する一定の権利義務関係(賃金,労働時間,雇用,権利構成)が存在することをいいます。従って、在籍出向者、派遣社員については、直接的な雇用関係にあるとはいえません。

特に国、地方公共団体等(法第二十六条第四項に規定する国、地方公共団体その他政令で定める法人)が発注する建設工事(以下、「公共工事」という。)において、発注者から直接請け負う建設業者の専任の監理技術者等については、所属建設業者から入札の申込のあった日(指名競争に付す場合であって入札の申込を伴わないものにあっては入札の執行日、随意契約による場合にあっては見積書の提出のあった日)以前に三ヶ月以上の雇用関係にあることが必要です。

また、次のような場合においては、所属する建設業者との間に恒常的な雇用関係にあったものとみなします。

1.所属建設業者の変更

合併、営業譲渡又は会社分割等の組織変更に伴う所属建設業者の変更(契約書又は登記簿の謄本等により確認)があった場合には、変更前の建設業者と三ヶ月以上の雇用関係にある者については、変更後に所属する建設業者との間にも恒常的な雇用関係にあるものとみなされます。

2.子会社への出向社員

国土交通大臣の認定を受けた企業集団に属する親会社からその子会社(当該企業集団に属するものに限る。)である建設業者への出向社員を当該建設業者が工事現場に主任技術者又は監理技術者として置く場合は、当該出向社員と当該建設業者の間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱います。国土交通大臣の認定を受けた企業集団において、親会社(純粋持株会社)からその子会社(100%子会社である建設業者)への出向社員が当該子会社の請け負った建設工事の主任技術者又は監理技術者となることを認めるものです。

【企業集団】
(1)(イ)のいずれにも該当する親会社及び(ロ)のいずれにも該当する子会社から構成されること
(2)建設業者である子会社が全て含まれること
(3)親会社、子会社が他の企業集団に属していないこと
(4)企業結合により経営基盤の強化を行おうとする建設業者がある場合であること

(イ)親会社
① 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9 条第3 項の持株会社であること
②証券取引法第24 条の規定に基づき有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない者であること
③経営事項審査を受けていない者であること
④ 主として企業集団全体の基本的な経営管理等のみを行うものであること

(ロ)子会社
①建設業者であること
②発行済株式の全てが親会社により保有されていること

3.連結子会社への出向社員

国土交通省の認定を受けた企業集団に属する建設業者の間(親会社とその連結子会社の間に限る。)の出向社員を出向先の会社が工事現場に主任技術者又は監理技術者として置く場合は、当該出向社員と当該出向先の会社との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととします。ただし、当該出向先の会社が当該出向社員を主任技術者又は監理技術者として置く建設工事について、当該企業集団を構成する親会社若しくはその連結子会社又は当該親会社の非連結子会社(連結財務諸表規則第2条第5号に規定する非連結子会社をいう。以下同じ。)がその下請負人(当該建設工事の全部又は一部について下請契約が締結されている場合の各下請負人をいう。以下同じ。)となる場合は、この限りではありません。

(1) 一の親会社とその連結子会社からなる企業集団であること。
(2) 親会社が次のいずれにも該当するものであること。
① 建設業者であること。
② 証券取引法(昭和23年法律第25号)第24条の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない者であること。
(3) 連結子会社が建設業者であること。
(4) (3)の連結子会社がすべて(1)の企業集団に含まれる者であること。
(5) 親会社又はその連結子会社(その連結子会社が2以上ある場合には、それらのすべて)のいずれか一方が経営事項審査を受けていない者であること。

出向者が経営業務の管理責任者や専任技術者になれるか?

結論から言うと、事業所における常勤性が確認できれば、出向者であっても経営業務の管理責任者や専任技術者とすることができます。

出向とは、会社の業務命令などの理由で、雇用関係にある企業に在籍したまま、子会社や関連会社において業務に従事することをいいます。

この場合、出向元と出向先の両方とそれぞれ労働契約関係があり、業務上の指揮命令権は出向先企業にあるとされます。

出向とは何かなど、出向に関して直接定めた法律はありません。給与の支払いや社会保険の適用に関しては出向元と出向先双方の出向契約の内容によって取り決められます。

そして、建設業許可の要件である、経営業務の管理責任者や専任技術者になれるかに関しては、国土交通省が出している「建設業許可事務ガイドラインについて」によると以下のように記されています。

【「専任」の者とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することを要する者をいう。会社の社員の場合には、その者の勤務状況、給与の支払状況、その者に対する人事権の状況等により「専任」か否かの判断を行い、これらの判断基準により専任性が認められる場合には、いわゆる出向社員であっても専任の技術者として取り扱う。】

経営業務の管理責任者に関しても「常勤」であることが確認できれば出向者であっても経営業務の管理責任者になれるとされています。しかし、出向であっても役員である必要があるので、登記されている必要があります。役員待遇のような形態であったり、執行役員で登記されていない場合は認められません。

そして、経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤性を証明する確認資料として、社会保険加入業者であれば、健康保険被保険者証で常勤性を証明しますが、社会保険を出向元が負担するような場合は事業所名が出向元になってしまっているので、それだけでは出向先の常勤であることが証明できません。

別途確認資料として、出向協定書、出向契約書、辞令、命令書などの貼付を求められることがあります。

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