外国人労働者の雇用

外国人の方は、入管法、正確には出入国管理及び難民認定法で定められている在留資格の範囲内において、日本での活動が認められています。現在、在留資格は27種類ありますが、就労の可否に着目すると次の3種類に分けられます。外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを必ず確認する必要があります。

1.在留資格

(1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格18種類
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、特定活動

(2)原則として就労が認められない在留資格 5種類
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

(3)就労活動に制限がない在留資格 4種類
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

外国人労働者の受け入れについて曰本の基本的政策は、専門的、技術的分野の受け入れは認めていますが、いわゆる単純労働を目的とした在留は認めていません。よって、建設業の現場作業員として外国人を雇用する場合は、(3)就労活動に制限がない在留資格 4種類、もしくは(1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格の「技能実習」を取得している必要があります。

2.外国人技能実習制度

(1)外国人技能実習制度とは

技能実習制度は、最長3年の期間において、技能実習生が雇用関係の下、日本の産業・職業上の技能等の修得・習熟をすることを内容とするものです。受け入れる方式は、企業単独型と団体監理型に大別されます。
 団体監理型の場合、技能実習生は入国後に講習(日本語教育、技能実習生の法的保護に必要な講義など)を受けた後、実習実施機関との雇用関係の下で、実践的な技能等の修得を図ります。技能修得の成果が一定水準以上に達していると認められるなどして「技能実習2号」への変更許可を受けることにより、最長3年間の技能実習が行えます。

(2)在留資格「技能実習」の4区分

外国人技能実習生を、受け入れる方式には、次の二つのタイプがあります。

①企業単独型:本邦の企業等(実習実施機関)が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施
②団体監理型:商工会や中小企業団体等営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施機関)で技能実習を実施

そして、この二つのタイプのそれぞれが、技能実習生の行う活動内容により、入国後1年目の技能等を修得する活動と、2・3年目の修得した技能等に習熟するための活動とに分けられ、対応する在留資格として「技能実習」には4区分が設けられています。

 入国1年目  入国2・3年目
 企業単独型  在留資格「技能実習1号イ」  在留資格「技能実習2号イ」
 団体監理型  在留資格「技能実習1号ロ」  在留資格「技能実習2号ロ」

 

(3)技能実習2号への移行

技能実習生は、技能実習1号終了時に移行対象職種・作業について技能検定基礎2級等に合格し、在留資格変更許可を受けると技能実習2号へ移行することができます。この場合、技能実習1号で技能等を修得した実習実施機関と同一の機関で、かつ同一の技能等について習熟するための活動を行わなければなりません。

 3.入国・在留手続

(1)在留資格認定証明書の交付申請

技能実習生を受け入れようとする実習実施機関(企業単独型のみ)又は監理団体は、まず、地方入国管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行うことになります。なお、監理団体は、技能実習生を受け入れるに当たっては、職業紹介事業の許可又は届出が必要です。

(2)ビザの取得と上陸許可

ビザは、在留資格認定証明書等を提示して日本の在外公館に申請します。そして、日本の空港・海港で旅券、査証等を入国審査官に提示し、在留資格「技能実習1号イ(又はロ)」在留期間1年(又は6月)とする上陸許可を受けて初めて技能実習生としての活動ができます。

(3)在留資格変更許可

技能実習1号から技能実習2号へ移行しようとする技能実習生は、移行対象職種・作業等に係る技能検定基礎2級等の試験に合格した上で、地方入国管理局に在留資格変更許可申請を行うことになります。この申請は、在留期間が満了する1ヶ月前までに行わなければなりません。

(4)在留期間更新許可

技能実習1号(在留期間6月の場合)や技能実習2号について、技能実習生は、通算して滞在可能な3年の範囲内で、在留期間の更新申請を地方入国管理局に行うことができます。この申請の時期は、在留期間が満了する1ヶ月前までに行わなければなりません。

(5)在留カードの交付

新しい在留管理制度では中長期在留者が対象者となり、在留カードが交付されることになります。

4.外国人の社会保険

(1)健康保険と厚生年金

外国人労働者の場合であっても、健康保険の適用事業所に雇用される従業員が、フルタイムで働いてるのであれば当然に、健康保険・厚生年金に加入させなければならない労働者となります。パートタイムで働く場合、週の所定労働時間および週の所定労働日数が正社員と比べて4分の3未満の場合は社会保険の加入の義務はありません。

日本の年金制度においては、短期在留外国人が年金を受けることができない場合の措置として、6 ヶ月以上の加入期間があり、給付を受けていない外国人に対して脱退一時金制度が設けられております。脱退一時金というのは、短期間日本に在住・日本の年金制度(国民年金・厚生年金・共済組合など)に、払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度のことです。保険料の掛け捨て防止を目的に作られた制度です。

(2)雇用保険

原則として在留資格の如何にかかわらず、雇用保険法の適用除外に該当しない限りは雇用保険に加入することができます。ただし、以下の者は雇用保険に加入することはできません。

①外国において雇用関係が成立した後で、日本国内にある事業所に赴任してきた労働者(外国で現地採用された日本人含む)
②外国公務員、外国の失業保険が適用されることが立証されている者

(3)労災保険

日本国内の事業場で使用(雇用)される労働者であれば、国籍を問わず労災保険が適用されます。その事故が業務上であると認められれば、その事業主と使用関係がある外国人労働者がどのような在留資格であっても労災保険が適用されます。就労を許されている在留資格をお持ちの外国人はもちろん、「留学生」「就学生」などがアルバイト中に事故にあってしまったときも適用になります。たとえ不法就労者でも労災の給付の対象になります。

5.外国人雇用状況の届出義務

すべての事業主は外国人を雇用した場合と、離職した際に氏名・在留資格・在留期間等をハローワークに届出る必要があります。
平成19年10月1日から、すべての事業主の方には、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇入れまたは離職の際に、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務付けられました。(届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。)

6.外国人の活用拡大

日本政府は、2014年4月4日、人手不足が深刻な建設業で外国人労働者の受け入れを増やすため、2015年度から外国人技能実習制度を拡大させる方針を固めました。
実習生の在留期間について、現行の実習期間(最長3年)に加え、法相が指定する「特定活動」という資格で最長2年の在留延長を認め、建設現場で働けるようにする方針です。いったん帰国後、再来日して技能向上を目指す外国人の在留も認め、実習制度に基づく在留期間を通算8年まで延ばせる仕組みとなる方針です。
その背景には建設業界の深刻な人手不足があります。東日本大震災の復興事業や2020年の東京五輪開催に向けた施設整備の需要増加、高齢化した熟練労働者の引退や若者の建設業離れ等が原因となり、政府の試算によれば、2015~2020年度の6年間で建設業界では延べ15万人の人材が不足すると見られています。建設業では外国人の人材活用はもはや避けようもない状況となっています。

リンク

サイトウ行政書士事務所,車庫証明,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,内容証明,公正証書,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

サイトウ行政書士事務所,農地転用,ひたちなか市,水戸市,那珂市,東海村

最近の投稿記事

過去の投稿記事