ディーゼル車規制とは、大都市地域における大気汚染の抑制、特にディーゼル車から排出される粒子状物質の削減を図るため、基準を満たさないディーゼル車は、対象地域内での登録、流入を阻止するための規制です。
ディーゼル車規制は、自動車NOx・PM法という国の規制と東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県の各自治体の条例の2種類の規制から構成されています。
茨城県では、ディーゼル車に対する登録、流入を阻止するための規制はありませんが、「茨城県生活環境の保全等に関する条例」において環境への負荷の少ない自動車等の使用、自動車等の効率的な使用に努めるよう求められています。
1.自動車NOx・PM法とは
自動車NOx・PM法(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法)は、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)による大気汚染
が著しい都市部での大気環境の改善を目指すものです。この法律には、一定の自動車に関してより窒素酸化物や粒子状物質の排出が少ない車を使うよう車両規制という規制が盛り込まれています。この規制によって、大都市地域で所有し使用できる車が制限されています。また、事業者排出抑制対策として、事業活動にともなう自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために、一定規模以上の事業者については自動車使用監理計画の作成が必要になります。
2.対象地域
(1)首都圏
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
(2)愛知・三重圏
愛知県、三重県
(3)大阪・兵庫圏
大阪府、兵庫県
※対象都府県の全地域が規制対象になるわけではありません。対象市区町村は環境省のHPで確認してください。
3.規制対象車両
トラック、バス、ディーゼル乗用車及びそれらをベースに改造した特種自動車のうち、対策地域に使用の本拠の位置を有するものが規制対象車になります(「使用の本拠の位置」については、車検証を確認してください)。
軽自動車、特殊自動車及びガソリン又はLPGを燃料とする乗用車については、車種規制の対象外となります。
車種 | ナンバープレートの分類番号 |
---|---|
普通トラック | 1、10~19、100~199 |
小型トラック | 4、40~49、400~499 6、60~69、600~699 |
大型バス(定員30人以上) | 2、20~29、200~299 |
マイクロバス ( 定員11人以上30人未満) |
2、20~29、200~299 (一部、5、50~59、500~599 7、70~79、700~799) |
特種自動車 ( トラック、バス、ディーゼル 乗用車をベースとしたものに 限る) |
8、80~89、800~899 |
ディーゼル乗用車 ( 定員11人未満) |
3、30~39、300~399 5、50~59、500~599 7、70~79、700~799 |
4.排出基準
自動車NOx・PM法の車種規制によって適用される排出基準は、窒素酸化物および粒子状物質の最大限の排出抑制を以下のように設定しています。
車種 | 車両総重量 | 基準値 |
---|---|---|
ディーゼル乗用車 | – | NOx :0.48g/km (昭和53年規制ガソリン車並) PM :0.055g/km |
バス・トラック 等 (ディーゼル車、ガソリン車、LPG車) |
1.7t以下 | NOx :0.48g/km (昭和63年規制ガソリン車並) PM :0.055g/km |
1.7t超2.5t以下 | NOx :0.63g/km (平成6年規制ガソリン車並) PM :0.06g/km |
|
2.5t超3.5t以下 | NOx :5.9g/kWh (平成7年規制ガソリン車並) PM :0.175g/kWh |
|
3.5t超 | NOx :5.9g/kWh (平成10年、平成11年規制ディーゼル車並) PM :0.49g/kWh (平成10年、平成11年規制ディーゼル車並) |
5.条例による自治体独自の規制
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県においては、地域の実情等にかんがみ、条例により、粒子状物質(PM)のみを対象としつつ、域外からの流入車をも含め排出基準に適合しない自動車の走行を禁止する独自の制度を設けています。
1都3県においては、各都県が指定するPM除去装置を装着することにより規制適合車とみなされますが、これらの装置ではNOxを低減することができないため、国の自動車NOx・PM法の車種規制に適合することはできないので、注意が必要です。
条例による規制内容の詳細については各自治体へ確認ください。