一般乗用旅客自動車運送事業

1.一般乗用旅客自動車運送事業とは

他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送するのが「旅客自動車運送事業」です。旅客自動車運送事業は、その事業の形態や、使用する車輌の種別により、一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業、一般乗用旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業の4つがあります。

タクシー事業(乗車定員10人以下の自動車を使用して、一個の契約により貸し切って旅客を有償で輸送する事業)を行うには、道路運送法に基づく一般乗用旅客自動車運送事業の許可を取得しなければなりません。
 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を取得するには、許可申請書を作成し、管轄する運輸支局の担当窓口(輸送・監査部門)に申請が必要となります。申請された許可申請書の審査にあたっては、公示されている審査基準の内容を全て満たしているかを審査し、全て合致していることが認められれば許可となります。

また、タクシー事業は大きく分けて、法人タクシー、個人タクシー(1人1車制個人タクシー事業)、介護タクシー(福祉輸送事業限定)に分けられます。

2.法人タクシー

(1)営業区域

茨城県の営業区域は以下のように定められています。営業区域内に営業所を設置しなければなりません。発地または着地のいずれもが営業区域外となる営業はできません。

・県北交通圏
 日立市・高萩市・北茨城市・常陸太田市・常陸大宮市・城里町・大子町
・水戸県央交通圏
 水戸市・ひたちなか市・那珂市・笠間市・東海村・大洗町・茨城町
・鹿行交通圏
 鉾田市・行方市・鹿嶋市・神栖市・潮来市
・県南交通圏
 土浦市・石岡市・かすみがうら市・小美玉市・つくば市・牛久市・稲敷市・龍ヶ崎市・取手市・守谷市・つくばみらい市・阿見町・美浦村・利根町・河内町
・県西交通圏
 古河市・結城市・筑西市・桜川市・下妻市・常総市・坂東市・八千代町・境町・五霞村

(2)営業所

①営業区域内にあること。なお、複数の営業区域を有する場合にあっては、それぞれの営業区域内にあること。
②申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
③建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令の規定に抵触しないものであること。
④事業計画を的確に遂行するに足る規模のものであること。

(3)事業用自動車

申請者が使用権原を有するものであること

(4)最低車両数

茨城県では、いずれの営業所においても5両以上の事業用自動車を配置するものであること。

(5)自動車車庫

①原則として営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合は、営業所から直線で2km以内の営業区域内にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること。
②車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ、営業所に配置する事業用自動車の全てを収容できるものであること。
③他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。
④申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
⑤建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
⑥事業用自動車の点検、清掃及び調整が実施できる充分な広さを有し、必要な点検が実施できる測定用器具等が備えられているものであること。
⑦事業用自動車が自動車車庫への出入りに支障のないものであり、前面道路との関係において車両制限令に抵触しないものであること。なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、事業用自動車が当該私道に接続する公道との関係においても車両制限令に抵触しないものであること。

(6)休憩、仮眠又は睡眠のための施設

①原則として営業所又は自動車車庫に併設されているものであること。ただし、併設できない場合は、営業所及び自動車車庫のいずれからも直線で2キロメートルの範囲内にあること。
②事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであること。
③他の用途に使用される部分と明確に区画され、かつ、事業計画に照らし運転者が常時使用することができるものであること。
④申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
⑤建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。

(7)管理運営体制

①法人にあっては、当該法人の役員のうち1名以上が専従するものであること。
②営業所ごとに、配置する事業用自動車の数により義務づけられる常勤の有資格の運行管理者の員数を確保する管理計画があること。この場合において、旅客自動車運送事業運輸規則第22条第1項に基づき関東運輸局長が指定する地域において道路運送法第23条の2第1項第2号の規定により運行管理者資格者証の交付を受けた者を運行管理者として選任する場合には、申請に係る営業区域において5年以上の実務の経験を有するものであること。
③運行管理を担当する役員が定められていること等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
④自動車車庫を営業所に併設できない場合は、自動車車庫と営業所とが常時密接な連絡をとれる体制が整備されるとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立されていること。
⑤事故防止についての教育及び指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則に基づく報告等の責任体制その他緊急時の連絡体制及び協力体制について明確に整備されていること。
⑥上記②~⑤の事項等を明記した運行管理規程が定められていること。
⑦運転者として選任しようとする者に対し、運輸規則第36条第2項に定める指導を行うことができる体制が確立されていること。
⑧運転者に対して行う営業区域内の地理及び利用者等に対する応接に関する指導監督に係る指導要領が定められているとともに、当該指導監督を総括処理する指導主任者が選任されていること。
⑨原則として、常勤の有資格の整備管理者の選任計画があること。ただし、一定の要件を満たすグループ企業に整備管理者を外部委託する場合は、事業用自動車の運行の可否の決定等整備管理に関する業務が確実に実施される体制が確立されていること。
➉利用者等からの苦情の処理に関する体制が整備されていること。

(8)運転者

①事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任する計画があること。
②この場合、適切な乗務割、労働時間、給与体系を前提としたものであって、労働関係法令の規定に抵触するものでないこと。
③運転者は、運輸規則第36条第1項各号に該当する者ではないこと。
④定時制乗務員を選任する場合には、適切な就業規則を定め、適切な乗務割による乗務日時の決定等が適切になされるものであること。

(9)資金計画

①所要資金の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。
②所要資金の50%以上、かつ、事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金が、申請日以降常時確保されていること。

(10)法令遵守

①申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員が、一般乗用旅客自動車運送事業の遂行に必要な法令の知識を有するものであること。
②健康保険法、厚生年金法、労働者災害補償保険法、雇用保険法に基づく社会保険等加入義務者が社会保険等に加入すること。
③申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員が、法令遵守の点で問題のないこと。

(11)損害賠償能力

旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運行により生じた旅客その他の者の生命、身体又は財産の損害を賠償するため講じておくべき措置の基準を定める告示で定める基準に適合する任意保険又は共済に計画車両の全てが加入する計画があること。

3.個人タクシー

個人タクシー事業を行うには、道路運送法に基づく一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーに限る)の許可を取得しなければなりません。

ただし、茨城県は営業区域が定められていないため個人タクシーは営業できません。

4.介護タクシー

一般に「介護タクシー」「福祉タクシー」と呼ばれる福祉輸送事業限定事業は、一般の法人タクシーに比べて輸送する旅客が限定されることにより、許可に対していくつかの要件が緩和されています。

(1)対象となる旅客は、以下に掲げる者及びその付添人とする。

①介護保険法(平成9年法律第123号)第19条第1項に規定する要介護認定を受けている者
②介護保険法第19条第2項に規定する要支援認定を受けている者
③身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に規定する身体障害者手帳の交付を受けている者
④上記①~③に該当する者のほか、肢体不自由、内部障害、知的障害及び精神障害その他の障害を有する等により単独での移動が困難な者であって、単独でタクシーその他の公共交通機関を利用することが困難な者
⑤消防機関又は消防機関と連携するコールセンターを介して、患者等搬送事業者による搬送サービスの提供を受ける患者

(2)福祉輸送サービスに使用する自動車及び乗務する者の要件は、以下に掲げるものとする。

①道路運送法施行規則等の一部を改正する省令による改正後の道路運送法施行規則第51条の3第1項第8号に規定する福祉自動車(車いす若しくはストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車、又は回転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた自動車。)を使用する場合にあっては、介護福祉士若しくは訪問介護員若しくはサービス介助士の資格を有する者又は一般社団法人全国タクシー・ハイヤー連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を修了した者、又は一般財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了した者が乗務するよう努めなければならない。
②①によらず、セダン型等の一般車両を使用する場合にあっては、介護福祉士若しくは訪問介護員若しくは居宅介護従業者の資格を有する者又はケア輸送サービス従事者研修を修了している者が乗務しなければならない。

(3)営業区域および最低車両数

福祉輸送サービスに限定する事業にあっては、営業区域を都県単位とし、また最低車両数を1両とする。

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