2020年 3月

 市街化調整区域における開発行為の立地基準として都市計画法第34条第11号及び第12号は、開発許可権限を有する都道府県や市町村が定める条例により、市街化調整区域において区域、目的、予定建築物の用途を定めて開発許可することができる旨を規定しています。
 市街化調整区域内のあらかじめ指定した区域において、既存集落の維持・保全を目的に、申請者の出身要件等を問うことなく(誰でも)住宅や一定の小規模な店舗や事業所の立地が可能になります。

区域指定の基本的な考え方

(1)11 号区域(幅広く指定)
 既存宅地制度(H12 廃止)の代替措置として市街化区域に隣・近接している集落を対象
(2)12 号区域(限定的に指定)
 集落のコミュニティ維持を図るため市街化区域から離れている集落を対象

市街化区域に隣・近接しているかいないかにかかわらず、おおむね50以上の建築物が連たんしている既存集落を対象に区域指定が行われます。その形態により 「茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例」により次のように区分(集落分類)されます。

(1) 第1種集落 幹線道路(道路法(昭和27年法律第180号)第3条第1号に規定する高速自動車国道を除く。)に沿って発達した既存集落
( 2 ) 第2種集落 住宅団地であって,当該住宅団地の存する地域に係る線引きの日前に造成されたものであることその他の規則で定める要件に該当する既存集落
( 3 ) 第3種集落 第4条第1項各号のいずれにも該当する既存集落であって,前2号に掲げる既存集落以外のもの
( 4 ) 第4種集落 地形,地物等の状況により集落が拡大するおそれのない既存集落であって,規則で定める要件に該当するもの
( 5 ) 第5種集落 300以上の建築物が連たんしていることその他の規則で定める要件に該当する既存集落
( 6 ) 第6種集落 前各号に掲げる既存集落以外の既存集落

区域指定の建築物用途制限等

 区域指定の集落において建築できる建築物は、第2種低層住居専用地域内で建築可能な用途や延べ面積200㎡以下の事務所もしくは作業所になります。ただし 集落分類により建築可能な建物が変わります。
また、建ぺい率・容積率等は以下の制限があります。
 建ぺい率: 60%
 容積率: 200%
 最低敷地面積: 300㎡以上
 高さ: 10m以下
該当地の区域指定状況、集落分類、技術基準をよく確認する必要があります。

茨城県の区域指定(2019年4月現在)

県条例による指定

茨城町11号・12号
阿見町12号

特例市・事務処理市町村の指定

特例市

水戸市11号,つくば市11号・12号

事務処理市町村

日立市,土浦市,石岡市,常総市,常陸太田市,取手市,鹿嶋市,潮来市,那珂市,筑西市,坂東市,かすみがうら市,桜川市,神栖市,つくばみらい市,境町

市街化調整区域に自己用住宅を建築する場合の開発行為立地基準として「世帯分離」(または、分家住宅)と言われる基準があります。 都市計画法第34条第12号の条例で定める許可基準に基づき、茨城県として「茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例」によって以下のように定められています。

県条例第6条第1項第5号 として
「専用住宅であって、当該専用住宅の敷地が存する市街化調整区域に係る線引きの日に現に存するもの又は当該線引きの日後に法第29条第1項の規定による開発行為の許可若しくは法第43条第1項の規定による建築等の許可を受けて建築されたものの世帯主と住居及び生計を一にする親族(過去において、当該世帯主と住居及び生計を一にしていた親族を含む。)が、当該専用住宅の敷地又は当該専用住宅の敷地に隣接する土地において、自己用住宅の建築を目的として行う開発行為であって、規則で定める要件に該当するもの 」
が定めらています。この基準が一般的に「世帯分離」や「分家住宅」と呼ばれています。

開発行為の許可権限を持つ各市町村も同様の条例を定め「世帯分離」と呼ばれる立地基準が定められています。
水戸市
 水戸市開発審査会付議基準 包括承認基準5
ひたちなか市
 ひたちなか市都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例 第3条3号
那珂市
 那珂市都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例 第5条4号

茨城県許可における「世帯分離」基準の概要は以下のようになります。

条例第6条第1項第5号の規則で定める要件は、次の各号のいずれにも該当することとする。

(1)自己用住宅の延べ面積が、おおむね200平方メートル以下であること。

(2)自己用住宅の高さが、10メートル以下であること。

(3)当該開発行為を当該専用住宅の敷地に隣接する土地において行う場合にあっては、次のいずれにも該当すること。
 ア 当該開発行為を行う者又はその者と同一の世帯に属する者が当該土地を所有していること(当該土地を取得することが確実であると認められることを含む。)。
 イ 予定地の面積が、おおむね200平方メートル以上500平方メートル以下であること。ただし、予定地及びその周辺の土地の状況を考慮して、やむを得ないと認めるときは、500平方メートルを超えることができる。

市街化調整区域に自己用住宅を建築する場合の開発行為立地基準として「既存集落」と言われる基準があります。 都市計画法第34条第12号の条例で定める許可基準に基づき、茨城県として「茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例」によって以下のように定められています。

県条例第6条第1項第3号 として
「既存集落(規則で定めるものに限る。)内において、当該既存集落が存する市街化調整区域に係る線引きの日前から土地を所有する者その他規則で定める者が、自己の居住の用に供する専用住宅(以下「自己用住宅」という。)を必要とするやむを得ない理由により、当該土地において,自己用住宅の建築を目的として行う開発行為であって、規則で定める要件に該当するもの 」
が定めらています。この基準が一般的に「既存集落」と呼ばれています。

開発行為の許可権限を持つ各市町村も同様の条例を定め「既存集落」と呼ばれる立地基準が定められています。
水戸市
 水戸市開発審査会付議基準 包括承認基準1
ひたちなか市
 ひたちなか市都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例 第3条1号
那珂市
 那珂市都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例 第5条2号

茨城県許可における「既存集落」基準の概要は以下のようになります。

1.既存集落とは、建築物が敷地相互間の間隔が70メートル未満で連たんしており、かつ、当該建築物に原則として50戸以上の住宅が含まれているものをいう。

2.規則で定める者は 次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1)当該既存集落が存する市街化調整区域に係る線引きの日前に土地を所有していた親族から当該線引きの日後に相続、贈与又は売買により当該土地を取得した者(取得することが確実であると認められる者を含む。)
(2)当該既存集落が存する市街化調整区域に係る線引きの日後に土地を取得した者(取得することが確実であると認められる者を含む。)であって、次のいずれかに該当するもの
ア 当該既存集落が存する市町村の区域内の町若しくは大字の区域(以下「大字等の区域」という。)又は当該既存集落が存する市町村の区域内の大字等の区域に隣接する大字等の区域(以下「当該既存集落が存する市町村の区域内の大字等の区域等」という。)内に当該線引きの日前に本籍又は住所を有していた者
イ 当該既存集落が存する市町村の区域内の大字等の区域等内に相当期間居住していた者
ウ アに該当する者の2親等以内の血族又は1親等の姻族

3.規則で定める要件は、次の各号のいずれにも該当することとする。
(1)当該開発行為を行う者が勤務している場合にあっては、開発行為の対象となる土地(以下「予定地」という。)がその者の勤務地に通勤が可能な区域に存すること。
(2)予定地の面積が、おおむね200平方メートル以上500平方メートル以下であること。ただし、予定地及びその周辺の土地の状況を考慮して、やむを得ないと認めるときは、500平方メートルを超えることができる。
(3)自己用住宅の延べ面積が、おおむね200平方メートル以下であること。
(4)自己用住宅の高さが、10メートル以下であること。

4.開発行為に係る予定地には、建築基準法(昭和25年法律第201号)第43条第1項の規定に適合させるため、当該予定地が存する市街化調整区域に係る線引きの日後に土地の交換又は売買により取得した最小限の土地を含むことができる。

60条証明とは、都市計画法施行規則第60条に規定されている手続きのことです。都市計画法施行規則第 60 条による証明書(通称:60 条証明書、適合証明書)は、建築物を建築しようとする計画が、都市計画法の開発許可または建築許可を 必要としないことを証明するものです。
市街化調整区域において建築確認申請をしようとする際に、確認申請機関より証明書の提示を求められた場合、建築確認申請書に60条証明を添付しなければなりません。

60条証明の対象となる都市計画法の該当条例は以下になります。
・法第29条 第1~2項(開発許可)
・ 法第35条の2第1項(開発変更許可)
・ 法第41条第2項( 建蔽率等の指定を超える建築物の許可)
・ 法第42条(開発行為を受けた土地における建築許可)
・ 法第43条第1項(開発行為を受けた土地以外における建築許可)
・ 法第53条第1項(都市計画施設の区域等における建築許可)

60条証明が必要となる具体例は以下のような場合があります。

〇 農家住宅
都市計画法第29条第1項第2号において「 市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為については開発許可を要しない。」とされているます。

〇線引日前住宅
都市計画法第43条の許可が不要な増築として以下のすべての要件を満たす建築物。
① 線引日に既に存していた建築物の敷地
② 線引日に既に存していた建築物の延べ面積の50%以内の増築
③ 増築に係る予定建築物の高さ10m以内

都市計画法第43条では、
「 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第29 条第1項第2号若しくは第3号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第2号若しくは第3号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。」
と定められており、市街化調整区域内のうち開発許可を受けた区域以外において、開発行為を伴わずに建築物を建築する場合、都市計画法第43条建築許可を受ける必要があります。

市街化調整区域は市街化を抑制する地域のことで、線引き前に造成された宅地や法第29条許可の適用除外となる開発行為が行われた宅地において、区画形質の変更を伴わないで建築物を建築する場合も規制対象とする必要があります。市街化調整区域においては、土地の区画形質の変更を伴わない建築行為等、つまり、開発許可を必要としない建築行為等についても本条により規制することとしたものです。

市街化調整区域であっても、既存敷地内で従前と同一の用途の増改築を行う場合、一定の規模であれば法第43条の許可が不要な場合があります。しかし、 許可が必要か不要かは非常に複雑で一概には判断できません。従前の土地が宅地と判断された経緯、増築・改築の規模や構造、用途変更の内容等により総合的に判断されます。 許可が必要か不要かの判断は、必ず行政(都市計画法担当課室)との協議が必要となります。

法第43条の許可が不要な増築の例
以下のすべての要件を満たす建築物。
① 線引日に既に存していた建築物の敷地
② 線引日に既に存していた建築物の延べ面積の50%以内の増築
③ 増築に係る予定建築物の高さ10m以内

法第43条の許可が不要な改築の例
従前の建築物の全部若しくは一部の除却又は災害による従前の建築物の全部若しくは一部の滅失に伴って行う従前の建築物と用途,規模,構造がほとんど同様の建築物の建築。

法第43条の許可が不要な用途変更の例
線引日に既に存していた建築物の使用者を変更する場合。
※市街化調整区域における用途変更とは住人の要件によって用途変更にあたる場合があります。

都市計画法第42条では、
「 何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第36条第3項の公告があった後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。」
と定められており、開発許可を受けた区域内において、工事完了公告があった後は、開発許可を受けた予定建築物以外の建築物の建築を制限することを定めています。
開発区域内に予定建築物以外の建築物等を立地する場合は、本条但し書きの許可を受けなければなりません。ただし、本条制限は用途地域等が定められた地域では適用されません。市街化区域では用途地域が定められていますので、実質的には、本条は市街化区域では適用されません。

本条の規制の対象となる行為は以下のような場合が該当します。
① 開発許可を受けた許可内容の予定建築物等以外の建築物を新築する場合
② 開発許可を受けた許可内容の既存建築物の用途を変更して予定建築物以外の建築物とする場合
※建築物の用途変更とは、自己用住宅を周辺サービス業店舗等へ用途変更するといった場合だけでなく、属人性を有する許可の建築物の所有者を変更する場合等も該当します。

本条第1項但し書の規定による許可が必要か不要かは非常に複雑で一概には判断できません。当初許可の内容、後の経緯、新築・改築の規模や構造、用途変更の内容等により総合的に判断されます。 許可が必要か不要かの判断は、必ず行政(都市計画法担当課室)との協議が必要となります。

都市計画法第34条では、
「 前条の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。」
と定められており、 市街化調整区域は、都市計画法第7条第3項の規定により市街化を抑制すべき区域とされているため、開発行為は原則としてできないことになっています。しかし、第34条各号に掲げるいずれかの立地基準に該当し、かつ、第33条に掲げる技術基準に適合している場合、特例的に市街化調整区域における開発行為が可能となります。 都市計画法第34条 では許可できる開発行為の類型を限定しています。

1号 公益上必要な施設、日常生活に必要な小規模店舗
2号 調整区域内に存する鉱物資源,観光資源の有効な利用上必要な建築物・工作物
3号 政令未制定
4号 調整区域内の農産物等の処理,貯蔵若しくは加工施設
5号 「特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」に定める所有権移転等促進計画に従った開発行為
6号 中小企業者の高度化に資する建築物等
7号 既存工場と密接な関連を有し事業活動の効率化を図る工場
8号 危険物の貯蔵又は処理に供する建築物・工作物
9号 市街化区域に立地することが困難又は不適当な建築物・工作物
10号 地区計画又は集落地区計画の区域
11号 区域指定(市街化区域に隣・近接している集落を対象)
12号 条例で区域(市街化区域から離れている集落を対象)、目的又は予定建築物の用途を限り定めたもの
(茨城県都市計画法の規定による開発行為の許可等の基準に関する条例)
13号 既存権利の届出
14号 茨城県開発審査会付議基準(提案基準・包括承認基準)

 

提案基準(茨城県開発審査会付議基準3-2) 2019年4月1日

提案基準1 技術先端型業種指定市町村内における工場・研究所等の取扱いについて
提案基準2 有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅の取扱いについて
提案基準3 社寺仏閣及び納骨堂等の取扱いについて
提案基準4 災害危険区域等又は土地区画整理事業施行区域に存する建築物を移転する場合の取扱いについて
提案基準5 既設団地認定の取扱いについて
提案基準6 線引日前から宅地である土地における開発行為の取扱いについて
提案基準7 廃棄物処理施設の取扱いについて
提案基準8 医療・社会福祉施設における福利厚生施設の取扱いについて
提案基準9 既存建築物の用途変更の取扱いについて
提案基準10 既存工場施設等の敷地拡張の取扱いについて
提案基準11 工業団地周辺における運送業の施設の取扱いについて
提案基準12 その他特に定めのないものの取扱いについて

 

包括承認基準 (茨城県開発審査会付議基準3-2) 2019年4月1日

包括承認基準1 指定既存集落内の自己用住宅の取扱いについて
包括承認基準2 都市計画法第34条第13号の権利の届出忘れの取扱いについて
包括承認基準3 既設団地内の建築物の取扱いについて
包括承認基準4 一身専属的許可を受けて建築した住宅の譲渡及び増改築等の取扱いについて
包括承認基準5 自動車解体業の施設の取扱いについて
包括承認基準6 指定既存集落内の小規模な工場等の取扱いについて
包括承認基準7 指定路線区域等における大規模な流通業務施設の取扱いについて
包括承認基準8 第2種特定工作物に該当しない運動・レジャー施設に付属する管理上必要な施設の取扱いについて(付属施設)
包括承認基準9 小規模作業所等の取扱いについて
包括承認基準10 介護老人保健施設の取扱いについて
包括承認基準11 公営住宅の取扱いについて
包括承認基準12 学校の取扱いについて
包括承認基準13 医療施設の取扱いについて
包括承認基準14 社会福祉施設の取扱いについて
包括承認基準15 公益上必要な建築物等の複合施設の取扱いについて
包括承認基準16 既存建築物の「者の変更」の取扱いについて
包括承認基準17 病院等に隣接する調剤薬局の取扱いについて
包括承認基準18 線引日前から宅地である土地における一戸建住宅の建築許可の取扱いについて
包括承認基準19 農家民宿の取扱いについて
包括承認基準20 地域経済牽引事業の用に供する施設の取扱いについて

 

都市計画法第33条では、
「都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第4項及び第5項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。 」
と定められており、法第33条は開発行為でまもるべき技術的基準を定め、許可権者はこれらの基準に適合すると認める時は許可しなければならない旨の義務を課した条文です。

1.予定建築物の用途の用途地域への適合
当該用途地域等に予定建築物の用途が適合していること。

2.道路、公園、広場等公共空地の規模、構造、配置
自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあっては、道路、公園、広場その他の公共の用に供する空地が、適切に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められていること。

3.排水施設の構造・能力・配置
排水路その他の排水施設が、下水道法に規定する下水を有効に排出するとともに、開発区域及びその周辺の地域に被害が生じないように設計されていること。

4.給水施設の構造・能力・配置
自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあっては、水道その他の給水施設が、需要に支障を来さないように設計されていること。

5.地区計画等への適合
地区計画等が定められているときは、予定建築物等の用途又は開発行為の設計が当該地区計画等に適合していること。

6.公共施設、公益的施設、予定建築物の用途の配分
公共施設、学校その他の公益的施設及び開発区域内において予定される建築物の用途の配分が定められていること。

7.軟弱地盤等の防災、安全措置
地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止するため地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。

8.災害危険区域等の除外
自己の居住の用に供する住宅の建築又は住宅以外の建築物にあっては、開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。

9.樹木の保存等の措置
政令で定める規模以上の開発行為にあっては、植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計されていること。

10.緩衝帯の配置
政令で定める規模以上の開発行為にあっては、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計されていること。

11.道路、鉄道等の輸送施設の配置
政令で定める規模以上の開発行為にあっては、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないと認められること。

12.申請者の資力
申請者に当該開発行為を行うために必要な資力及び信用があること。

13.工事施工者の能力
工事施行者に当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること。

14.関係権利者の同意
土地、建築物、その他の工作物につき当該開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること。

都市計画法 第29条第1項において「都市計画区域又は準都市計画区域」、第2項において「都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内」において1ha以上の開発行為を行う場合には、都道府県知事の許可を受けなければならないと定めらています。
この許可を一般的に、「開発許可」「開発行為の許可」「29条許可」と言います。
第29条第1項 ・第2項にて原則開発行為を行うには許可が必要であるとし、ただし書きにて許可受けなくてもよい開発行為があり、その例外が第1項・第2項の各号に規定されています 。許可が必要な場合・不要な場合を表にすると以下のようになります。

区域区分 適用面積 農林漁業用 公益性・管理行為・軽易な行為等
都市計画区域  線引き都市計画区域  市街化区域  1,000㎡以上
 (近郊整備地帯は500㎡以上)
許可不要
 市街化調整区域  全て 許可不要
 非線引都市計画区域  3,000㎡以上
都市計画区域外  準都市計画区域  3,000㎡以上
 都市計画区域及び準都市計画区域外  1ha以上

 

開発行為とは、主として、
(1) 建築物の建築
(2) 第1種特定工作物(コンクリートプラント、アスファルトプラント、その他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある一定の工作物)の建設
(3) 第2種特定工作物(ゴルフコース、大規模な(1ha以上)運動・レジャー施設または墓園)の建設
の用に供する 目的で行う「土地の区画形質の変更」をいいます。
「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する」とは、機能的な面から判断して建築物又は特定工作物に係る機能が主であることを指します。開発行為を土地の一部に建築又は特定工作物の建設がされる場合でも、機能が土地全体の利用からみて付随的なものである場合は開発行為に該当しません。

建築物とは土地に定着する工作物のうち、屋根および柱もしくは壁を有する物等、建築とは建築物の新築、増築、改築または移転を言います。

「土地の区画形質の変更」とは主に下記の3つになります。
・区画の変更 道路、水路等の公共施設で土地の区画割りをすること
・形の変更 1mを超える盛土、または2mを超える切土により土地の造成を行うこと
・質の変更 宅地以外の土地(農地・雑種地)を宅地として利用すること