協議離婚

お子さんのいる方が離婚をする場合一番問題になるのが「子供の親権をどうするか」だと思います。

親権とは、成年に達しない子を監護、教育し、その財産を管理するため、その父母に与えられた身分上および財産上の権利・義務の総称です。未成年の子に対し親権を行う者を親権者といいます。

離婚する場合には夫婦のどちらか一方を親権者と定めなければなりません。

離婚届には親権者を記載する欄があり、親権者を記載しなければ役所で受け付けてもらえません。

通常、親権者はお互いの話し合いにより決定します。どちらが親権者になるか話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所へ親権者を定める調停、又は審判の申し立てをすることができます。

しかし、親権は離婚時の条件にもなりますから、親権が決まらない場合は離婚調停の申立をしてその調停の中で親権の話し合いもしていくのが一般的です。

親権者の決定について調停でも話し合いがまとまらない場合は、裁判所により親権者を指定してもらうことになります。

親権には未成年の子の身体的・精神的な成長を図るために監護・教育を行う権利として「身上監護権」が含まれています。

一般的には子供を引き取り育てる側が親権者と監護者を兼ねますが、親権の「身上監護権」の部分を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることもできます。

例えば、父親が親権者として子供の法定代理人・財産管理などの行為を行い、母親が監護者となって子供を引き取り、子供の身の回りの世話や教育を行う事ができます。(ただし、特別な事情がある場合の例外的処置といえます。)

親権や監護権を持たない親でも子供の扶養義務はあり、子供をどのように育て教育するか意見を言う権利もあります。また子供を引き取り育てる側へ対して、「面会交流権」も要求できます。

親権は親に与えられた権利ではありますが、あくまで子供のために設けられた制度です。
 
 子供にとって、どうすることが一番良いのか
 
 それが、親権者を決定する上で最も大切なことです。

今や夫婦の3組に1組が離婚するとも言われています。

離婚はとても身近な問題ともいえます。当ホームページの検索キーワードも「離婚」に関するワードがトップです。

離婚する人の90%にあてはまる「協議離婚」についてお話しします。

まず、協議離婚するときは必ず離婚協議書を作ってください。

なぜなら、口約束で決めてしまうと約束の内容があいまいになってしまい必ずトラブルの元になります。

離婚協議書とはお互いの約束を書面にした契約書です。

例えば、お金の貸し借りをするとき口約束で決めてしまい、借用書(金銭消費貸借契約書)を取り交わさなければ後でトラブルになりやすいことは容易に想像できると思います。

離婚とは他人になることですから、信用するしないではなく当然、離婚協議書は作成すべきです。

そして離婚協議書は必ずしも公正証書にする必要はありません。

確かに公正証書は強力な証拠能力があり心理的圧力になるとも言えますが、契約書と考えれば全ての契約に公正証書が必要とは言えないことと同様です。

通常の契約書と同様書面として残すことが大事です。

たとえ、子供がいなくて慰謝料や養育費の支払いがない場合も、その支払い義務がないことを書面ししておく意味があります。

離婚協議書以下のような内容を記載することが一般的です。

1.離婚する旨の合意

2.親権 監護権

3.養育費

4.面会交流

5.慰謝料・財産分与・婚姻費用分担金

その他通知義務者、清算条項

ただし、離婚の条件はケースバイケースですから様々な内容が考えられます。

もし、書き方や内容に関して不安がある場合は専門家のアドバイスを受けてください。

離婚には大きく分けて3つの方法があります。

1.協議離婚

夫婦間でお互い離婚の同意があり、役所へ離婚届けを提出すれば、協議離婚の成立となります。

将来のことや共有の財産などについて、ふたりの話し合いがうまくまとまれば、第三者を介すことなく離婚が成立します。

離婚の約90%が、この協議離婚のパターンです。

お互いの同意と言っても口約束では後でトラブルの元になってしまいますので、必ず離婚協議書を作ってください。

離婚時に約束したことを「離婚協議書」という書面にし、場合によってはより証拠能力の高い「公正証書」とすることで、トラブルを未然に防ぎ、またトラブルとなった時も自分の身を守ることができます。

2.調停離婚

どちらかが離婚に同意しない場合や、同意はしても慰謝料などの条件で折り合わない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

調停委員二名が、双方から事情を聞き裁判官の指揮のもと両者の間に入って調停案を示すなどして、当事者間で公正で具体的に妥当な合意を成立させ、紛争の自主的任意的解決をはかろうとするものです。最終的に両方が合意することで離婚が成立します。

離婚裁判(裁判離婚)を提起する前に、必ず調停手続きを経なければなりません。

3.裁判離婚

調停が不成立だった場合には、裁判までもつれこむケースもあります。夫婦が原告と被告という立場に立って争うことを意味し、離婚の決定は当事者ではなく裁判官にゆだねる形となって離婚が成立します。

実際は、判決が下る前に和解勧告に応じて和解するケースが多いのが特徴です。