消滅時効とは、一定期間権利が行使されないとその権利は消滅するという制度です。なんとなく聞いたことがある方も多いと思います。
民法第167条 債権は、10年間行使しないときは消滅する。債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは消滅する。
また、民法や商法には、権利関係を迅速に確定するために、より短い期間で時効が成立する場合がある「短期消滅時効」が存在するので注意が必要です。
主な消滅時効とは
10年 個人の貸金債権
5年 企業間の商取引などの商事債権
3年 事故による損害賠償債権
2年 商品の売掛債権、給与や賞与債権
1年 ホテルや旅館の宿泊料、料理店などの飲食料
6ヶ月 小切手債権
そして、権利を行使するとは単に請求を繰り返すだけでは足りないのです。
「私は2年間毎月売掛金の請求書を相手に送っていた。だから放置していたわけではない。」と主張しても通りません。
時効完成を防ぐには時効期間が過ぎる前に、「裁判所に提訴する」必要があります。
では、消滅時効直前に未回収の売掛金を思い出したらどうでしょう?そう簡単に提訴できるでしょうか?
こういう時に有効なのが内容証明です。消滅時効は1回に限って催告(内容証明で請求)を行えば、時効期間は6ヶ月伸びるのです。6ヶ月あれば自分で提訴するのも、弁護士に依頼するにも十分余裕ができます。
また、相手方があなたの請求に対して「支払うからもう少し待ってくれ」と回答して来たり、請求に応じて1円でも入金してくば「承認」したことになり時効期間はゼロにリセットされます。
よくいう「事件を犯してから~年逃げ切れば時効成立」というのは刑事訴訟法上の公訴時効といい、ここでいう消滅時効とは異なります。