強制保険である自賠責保険は被害者の最低限の救済を目的としたものであり、 交通事故の被害者に結果的に生じた人的損害の賠償総額(治療費、休業損害、慰謝料などの合計額)に対して限度額が不足しがちです。 また、物的損害には保険が適用されません。
さらに、交通事故等により自動車保険の契約者自身(被保険者)が被害者になった場合や、契約者の所有する自動車が損壊した場合には、賠償責任保険はこれらの人的損害、物的損害については補償されません。
このように自賠責保険だけでは責任保険の限度額の面や、被保険者自身の補償の面で不十分であり、任意で加入できる保険商品が保険会社などから販売されています。 これを、一般的に任意保険といいます。
基本的に対人賠償保険については、自賠責保険と併存して契約することが前提とされています。
対人賠償については自賠責保険が支払うべき限度額までは自賠責保険から賠償支払いを行い、人的損害の賠償総額が自賠責保険の限度額を超過した場合に、その超過額のみ任意保険から支払われることになります。
保険は、大きく分けて対人賠償・物損賠償・搭乗者賠償の3つに分かれます。
対人賠償保険は、交通事故で相手に怪我をさせたり死亡させてしまった場合等に、自賠責保険の補償額を超えてしまう分が支払われます。
対人賠償保険の加入率は約85%程度とも言われています。つまり、公道を走っている自動車のうち、約15%前後は対人賠償保険に加入していない(未加入)車ということになります。
対物賠償保険は交通事故で「他人の財物」に損害を与えてしまった場合に補償される保険です。
対象は相手の車の修理代や、ガードレールや標識、塀や店舗、修理が終わるまでの休業損失なども補償対象となります。
搭乗者傷害保険というのは、保険に加入している車に乗っている「搭乗者」が、交通事故でケガをしてしまったり、死亡してしまった場合に過失に関係なく補償される保険です。
「搭乗者」には運転しているドライバーはもちろん、助手席や後部座席にも乗っている人たちを含めた、自動車に乗っている人全員が含まれます。