建設業の労災保険 | サイトウ行政書士事務所 茨城県,水戸市,ひたちなか市,那珂市の建設業許可

建設業の労災保険

1.労災保険の概要

労災保険は、正式な名称を「労働者災害補償保険」といい、業務上または通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡等に対して必要な保険給付を行い、被災労働者や遺族を保護するための保険です。
労災保険は、原則として事業単位で適用されます。その事業に使用される労働者は、その種類を問わず、労働者としてその事業に使用されている間は、すべて労災保険の保護を受けることになります。
労災保険法は、労働者を使用するすべての事業に適用されます。労災保険法の適用を受ける労働者は、職業の種類のいかんを問わず、適用事業に使用される労働者で、賃金を支払われる方をいいます。
労働者であれば、常用、臨時雇、日雇、アルバイト、パートタイマーなどの雇用形態は関係なく、業務災害又は通勤災害が発生したときに労災保険給付の受給権が生ずることとなります。一定期間以上継続して使用されていたかどうかは要件とはならず、採用され就労の初日に災害が発生した場合や、1日だけの契約で雇用されその日に災害が発生した場合でも給付が受けられることとなります。

2.建設業の労災保険

建設業のように当初から事業の期間が予定され、工事の完成など所定の目的を達成して終了する事業を有期事業といいます。有期事業は、保険料の納付手続き等が継続事業(商店、工場等一般の事業)とは異なっています。
建設業の事業単位は、工作物等が完成されるまでに行われる作業の全体をとらえ て一つの事業としており、例えば、ビル建築工事、ダム建築工事などは、その工事現場を一つの事業単位として、その事業が開始されるごとに保険加入の手続きが必要です。

(1)有期事業の一括

建設業の事業単位は、工作物等が完成されるまでを一つの事業として取り扱うのが原則ですが、一定規模以下の建設の事業(請負金額が1億9000万円未満で、かつ、概算保険料額が160万円未満のもの)であれば、これらを全て一括し、一つの事業として保険関係を成立させ、継続事業に準じて取り扱うこととなります。これを「有期事業の一括」といい、これに該当する事業を一括有期事業と呼んでいます。したがって、建設工事開始ごとに労災保険の手続が必要なのは、一括有期事業に該当しない建設工事の現場となります。
有期事業を一括して一つの事業とみなすには次の要件をすべて満たす必要があります。
①事業主が同一人であること
②それぞれの事業が他の建設事業の全部又は一部と同時に行われること
③それぞれの事業の規模について、概算保険料額が160万円未満であって、かつ、請負金額が1億9,000万円未満であること
④それぞれの事業においては、労災保険率表による事業の種類が同一であること
⑤それぞれの事業が同一又は隣接する都道府県の区域内で行われること
⑥この他に厚生労働省令で定める要件に該当すること

(2)請負事業の一括

建設の事業が数次の請負によって行われている建設事業については、元請負事業主が全体の事業についての事業主として労働保険の適用を受けることになり、個々の下請事業については、全て元請事業に吸収され一つの事業として取り扱われます。したがって、元請負事業主は、その下請負事業に使用する全ての労働者について、保険料の納付等の義務を負うこととなります。その建設現場で下請事業者の労働者が業務上の事故を発生させた場合、元請事業者が成立させた労災保険により保険給付(補償)が行われることになります。
この請負事業の一括は、事業規模を問わず、法律上当然に行われることになっています。下請事業者の中でも1億9,000万円以上の請負金額があるような大規模事業者については、元請事業者から独立させて、単独の労災保険を成立(下請負事業の分離)させることもできますが、あくまで分離手続きを行うかどうかは任意です。

(3)一人親方の労災保険

労災保険は、労働者の業務災害及び通勤災害に対する保護を主たる目的とするものであり、事業主、自営業者、家族従業者など労働者以外の方は労災保険の対象になりません。そのため、ご自身が事業主にあたる一人親方は保険加入の対象に含まれません。請負業務の一括として元請に使用されている状態であっても、一人親方は労働者とはみなされず、労災保険の適用範囲に入りません。2007年に最高裁判所でもその判断がなされています。
しかし、建設業などの一人親方は業務の実態や災害発生状況が限りなく労働者に近いため、 国は労働者ではない一人親方に対しても特別に労災保険の加入を認めています。その制度を「一人親方労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)」といいます。
一人親方とはその名の通り、お一人で建設業をしている方ですが、正確にいうと、建設の仕事に従事していて、労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方とその家族従事者、いわゆる「専従者」「一人親方の配偶者」「同居の親族」の方も加入対象になります。

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